発行者です
苛め(しつこいようですが、生徒間暴力です)をするようなクズ共を描写していたせいか、最近急速に作者(私)の人相が落ちて来てしまいました
作者(私)は、主人公の武のように物好きな訓練をしていないから、自分の顔を自由に演出する技術がありません
あまり人相が悪いと日常生活に支障をきたすので、この辺は詳しく描写せず、粗筋だけを書きます
恐喝をして来た寒川、東山、横田の三人を武と二条の二人で叩きのめしたら、寒川が暴力団の父親に言いつけ、二人は寒川の家に呼び出されることになりました
※※※
二条は武術の道場に行った
が、明日下校後、暴力団の寒川の家に行くことになっているので稽古をしていても気分が重い
悪いのは寒川達だが、そんなクズを育てた親も親だ
話して通じる相手かどうか分からない
武が、以前から寒川達に呪いをかけていたと言ったから、大丈夫だとは思うが、まさか親が暴力団とは知らなかった
親までは呪っていなかったと言う
今夜は、睡眠時間を極力削って精魂込めて呪うらしいが、果たして素人の武にどこまでできるだろうか?
今夜の武術指導は、修行僧の妙恵(みょうえ・31歳)が受け持っていた
妙恵は思慮が浅いが、美しく苦味走った顔つきをしているから、中身と違って一見重厚な人物に見える
この寺院がやたらに美男が多いのは、一体どうしたわけだろう?
見る僧侶見る僧侶、未だ僧侶でない見習いの修行者達でさえ、ほとんどが美しいと言って良いほどだ
妙恵は、一応は研ぎ澄まされた修行者なので、二条の様子がおかしいことに気付いた
「どうしたの?動きが鈍いよ」
弟子達の間をぬって二条に近寄り、声をかける
どちらかと言えば精神年齢の高くない妙恵だが、二条から見れば充分に大人である
道場の隅に行って、ことの次第を話した
「何と!」
妙恵は内心の喜びを隠して重々しく言う
「警察に言いなさい」
「警察が動いてくれるんでしょうか?」
「一応言っておくべきだよ」
「はい」
「呪詛は私に任せて」
これが言いたかった
呪詛をした経験がないので、してみたかったのだ
「はい」
「明日は私が一緒に行こうか?」
「行って下さいますか?」
「ほっとけないからね」
攻撃的な性格の妙恵は、笑いが顔に出ないように必死に堪える