むかしむかし

とは言え数年前、8.9年前くらいかな

はっきりいつとは覚えてない

あの日

私はひとり夜遅くまで起きてたんだ

ママはいつも通り23時頃には寝てたと思う

あの日、なにかが変だった

ママが頻繁にトイレに来た、何度もきた

私の部屋の隣りがトイレだったから

どうしてもわかっちゃう

私は静かに過ごしてたから起きてることは知らなかったのかな?

ちょっと覚えてないけど、、、

朝の6時頃、当時は彼氏だった今の夫が帰宅した。

少しママと話があるから、外に出てて欲しいと言われたんだ

なんでだろ?

少し切羽詰まってて変だった動揺してた

ねぇ、知らない間にキキが死んだの?キキが死んだの?

て、私は動揺した、ガチで。

それは違うと言ってくれたので安心して

どうせ聞こえないし、部屋にいちゃダメなのかなぁ?

なんて思いながら待ってた。

ママは朝から仕事だから話は思ってたよりも早かった

ごめんね、おまたせ

と言った夫は、ひどい顔をしていた

それはもう、それはもうとっても酷かった

ママが出たから部屋で話そうと、やっと部屋に入れた

聞いた内容に衝撃ともに辛さはあった

でも、でもね

あの時の夫はもう精神ダメージが酷すぎて

泣くことはできなかった

私は何にも悪くないのに

ごめんねって言った

泣いてもいいよ、泣いてもいい

でも、こんなに泣くことが辛いなんてね

泣くことが辛そうなんて

あの時の私は知らなくて、ごめんね

人前で泣くなんて初めてだろうね

一緒に生きて10年

あの日ほどの酷い涙を見たことはない

もう一生見たくはない

でもきっと、彼が泣くときは私がそばにいる

私がそばにいるときしか泣いちゃだめ

少し話がずれたから戻して。

今日はそんな酷い期間が始まった

あの日を思い出した

あの日

あの日から家の中は酷かった

少しずつ少しずつ、もうほんとに少しずつ

柔らかくなっていったんだ

何年もかかった

友達にも話せなくて、喧嘩もした

あの人寂しがり屋だから怒ってた

話せなかったのは悪いけど簡単じゃなかったのにな

少しずつ少しずつ

もうほんっとに少しずつ

何が進んでるのか

何にも進んでないんじゃないか

辛い日々が続いた

苦しかった

ずぅっと黒だった、グレーだった、濃い青だった、重たかった

家に帰りたくなかった

ひとりになりたかった

でも、ひとりにしたくなかった

みんなのことが大事だった

そんな日々が気付いたら終わってた

なんとか乗り越えた

乗り越えてた

乗り越えたね!

でも、また、きた

私は、私は、私は辛い

対応できない

知らない

あの人は嫌い

あの人のことは大嫌いなんだ

苦しめた!

あの人は私たちを苦しめた!

苦しめた張本人だ!






どんなに今は助け合わなきゃいけなくても

あの日のことを

あの日から始まった

あの日々のことを思い出すと

苦しいんだ

辛いんだ

もうあの日のできごと嫌なんだ

当事者が乗り越えたとしても

もう、えぐらないでよ

関わってこないでよ

いつか、来ると思ってたそんな日が

あの日と同じように始まった

今日は、そんな、あの日と同じ

あの日が始まる

そんな日