レン中3。15歳の誕生日。
「レンさん」
「なぁに?」
「これを」
「?」
「少し遅れてしまいましたが、誕生日プレゼントです」
「!」
「受け取ってもらえますか?」
「もちろん!開けてもいい?」
「どうぞ」
包装が破れないようにそっとね。
あー可愛い。乙女レンちゃんかわいい。
デレていい。
「ブックカバーね。このお花は?」
「レンの華で蓮華です」
「レンゲ?」
あの、ラーメンのアレではないですよ。
(そもそもハスの花だけどね)
「清らかさの象徴と言われてる花です。レンさんにぴったりだと思って」
「…/// ありがとう。とっても気に入ったわ。大事にするわね」
「ええ」
完全に浮かれてますね。
いやもう恋するのが楽しくてしょうがないお年頃だと思います。
カフェ巡りは済ませたので、次はどこに行こうか考えてたレンちゃんは、本物の蓮を観に行きたいなって思う。
でもカフェとは違って遠出になるけど、連れてってもらえるのかしらってちょっと思う。
「師範代って、車持ってる?」
「一応、持ってますよ。どうしてです?」
「あのね、レン、本物のレンの花を見てみたいの。調べたらね、そろそろ見頃なの」
「そうなんですか」
「…」じーーーーーー
「(かわいい…)…行きますか?」
「うん!」
そろそろ独り占めしたい欲が出てくる頃ですよリディさん!
「うわぁ!すごい!!」
「壮観ですね…」
ハス園みたいなところ行ってみたいなぁ。
レンちゃんは親指姫かなぁ(よくわからん)
めっちゃ写真撮りまくりのレンちゃん。
悪いな、と思いつつはしゃぐレンが可愛くてこっそり写真撮っちゃうリディおじさん。
捕まらないようにね。
「お弁当作ってきたのよ。食べましょう」
「レンさんが作ったんですか?」
「ええ。ミシェルに手伝ってもらっちゃったけど…」
「はは。正直ですね。いただきます」
「おいしい?」
「はい、とっても」
「よかった…」
ゆぅてミシェルさんはほとんど見てただけというか、焼くだけ握るだけくらいしかしてないけどね!
味付けとかはちゃんとレンちゃんがやってるよ!
ミシェルさんのお墨付きよ!
いつでも嫁に行けるよってな!
「今日は晴れたし、お花も満開で綺麗だったし、よかったわ。レンは最高に幸せ」
「そうですね。私もレンさんと来れて良かったです」
「!れ、レンも師範代と来れて嬉しい…当然すぎて言わなかっただけよ?本当よ?」
「ふふ。それは、光栄ですね」
なんだかレンちゃんは昼ドラに出てくるお嬢様みたいな口調にしてしまう(((^-^)))
「また来年も一緒に行ってくれる?」
「ええ」
「ほんと?約束よ!絶対だからね?」
「はい」
覚えてればね。くらい。
多感な時期だから、きっと他に気になる男の子とかも出来てるだろうなって思う。
そして高校ね、特にやりたいこともないので近くてそこそこ偏差値の高い高校に入学する。
ティータも一緒の高校でクラスも一緒になるけど選択科目は一部違うってことにしよう^ ^
御都合主義。
たまたま、本当にたまたまそこの剣道部の外部指導者がリディさんに。
女子に人気のリディさん。
私は家で会えるんだから!と思って学校では接しない。
ある雨の日
6限目の授業が自習になって、レンが初めてプレゼントしてもらった本(誕生日プレゼントに貰ったブックカバーつけて持ち歩いてる)を読んでいると、レンのことが好きな男子に絡まれる。
男の子の名前はうーん、カイリ君で。
しょうもな…と思ってシカトしてたら激昂したカイリに本奪われて窓の外に投げ捨てられる。
レンちゃん、何すんのよ!ってブチ切れてカイリのことグーパンで殴り倒してから外へ。
ティータここで騒動に気づく。遅いよ!
マクロスデルタ見て、女の子のグーパンいいね( '-^ )bって思ったので。
まぁあれは軍人(?)だけど。
クラスから投げたならこのあたりだろうって場所探すけど全く見当たらなくて真っ青。
雨降ってるし、早く見つけたくて校庭駆け回るけどやっぱり見つからない。
まずい、レンが走ると死ぬ。
ティータが傘とタオル持って駆けつける。
「レンちゃん!風邪引いちゃうよ!」
「…どうしよう…」
「え?」
校内放送で呼び出されるレンちゃん。
「れ、レンちゃん、職員室行こう?私も一緒に行くから」
「…うん」
職員室行くと応接室に移動するよう言われる。
そこで何があったか聞かれて答える。
しばらくするとカイリも入ってくる。
無言。
またしばらくするとカイリの母親が入ってきてめちゃくちゃ罵られる。全然耳に入ってこないからノーダメージだけど。
「…」
「うるせークソババア!黙ってろよ!」
「カイリ君!母親になんて口聞くの!」
みたいなやりとり。
そしてミシェル登場。
「失礼します」
「ミシェル!…」
「レンちゃん、女の子なんだからグーパンはだめよ、グーパンは。せめて平手打ちにしよ?」
(ミシェルお姉ちゃん、そこツッコむところじゃないよ…)
廊下で聞き耳立ててるティータ。
「あ、あと先に手ぇ上げたら不利になるから…」
「あなたねぇ!何があったか聞いたの?!うちのカイリ君に!言うことは無いの?!」
「…聞いてますよ。手を上げた事は謝ります。ごめんなさい。…けど、オタクの子も謝るべきだと思いますが?高校生にもなって好きな女の子からかうなんて、恥ずかしくないかね」
「なっ!!」
「!!!!すっ好きじゃねーよ!////」
(お姉ちゃんそれ言ってあげないで…あ )
「うちの子がそんな素行の悪い子を好きになるわけないでしょ!」
「(その話を引っ張るんじゃねえよ!!!!!!!)」
「だいたいその子、孤児なんでしょう?やっぱり母親もいないような子は」
「おい!」
「私が母親ですけど?」
「っ子育てはおままごとじゃないのよ?血も繋がってないのに母親気取り?子どもも産んだことないくせに!」
「!ミシェルにそんなこと言わないで!!」
「血が繋がってなくてもお宅よりよっぽど家族してるわ!息子の話も聞けないボンクラが!」
「な、な、な、…!」ぷるぷる
「…俺が悪かった。レン、ごめん」
「ちょっと!あなたは悪く」
「黙れよクソババア。ホントのことだろ」
「っ」
「…私も殴ったのは謝るわ。ごめんなさい」
「…」
「これで解決でいいですか?」
「あ、は、はい…」
先生存在感なし。
駐車場に向かう。あ、ミシェルさん車。
「ミシェル、ごめんなさい…」
「レンちゃん悪くないんだから謝る事ないよ。ほんとあのババアムカつくわ」
「ごめんなさい…」ぐすっ
「!レンちゃん…よしよし、もう大丈夫だよ?」
実はミシェルさん、子どもが出来ないわけじゃないけど妊娠しにくい体質らしい。
レーヴェもミシェルも子ども欲しがってるの知ってるから、おばさんの暴言でミシェルのこと傷付けたどうしようってなってるレンちゃん。
不妊治療すごいキツイらしいね。
検査とかしたことないけど。。
治療自体もキツイし、費用も高いしで大変らしい。
「レンさん、ミシェルさん」
「!」
「リディさん?どうして…あ、指導か」
「はい。あと、ティータさんが、ここにいれば会えるって教えてくださったので…」
校内放送聞いて職員室前に行ったリディさん、応接室前でかがんでるティータを発見する。
ティータに本を託そうと思うけど、直接渡してあげてほしいって言われて、駐車場側の入り口で待機してた。
「レンさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないですね…」
「ですよね…じゃあ、レンさん、これだけ」
「っ…?…あ、」
差し出されたのは消えた本。
「ぁ…うわあああああああん!」
「「!」」
「あ、あり…あ…」
「れ、レンさん、無理して喋らなくて大丈夫です…その、私はこのあと」
「あ、部活ですよね!レンちゃんのことは任せてください!ありがとうございました」
「いえ、私も付き添えたら良かったんですけど、ごめんなさい。それではまた」
というわけで帰宅。
そしてレンちゃん風邪。
着替えさせてソッコーで病院に連れてく。
肺炎一歩手前の風邪診断で、お薬貰って安静にするということに。
夜レーヴェが部屋に。
「レン、大丈夫か?」
「レーヴェ、レーヴェ…」
「無理するな」
「ううん、大丈夫なの。…聞いて」
「うん?」
「今日ね、学校であった事は聞いた?」
「ああ。レンは悪くないって」
「そうじゃないの、その時にね、相手のお母さんが、ミシェルに…っ」
思い出して涙出てきちゃう。
「レン?」
「こどもも、産んだことないくせにって…言って…っ…ミシェル、絶対傷付いて…ごめんなさい…レンが…っ」
「レン…大丈夫だよ。ミシェルも、何のことか言わなかったが、レンが気に病んでないか心配してたけど、そのことだろうな。お前ら愛し合いすぎて、妬けるぞ」
「…いみわかんなっ…」
「ミシェルのことは心配しなくていいから、今日はゆっくり休め。明日も無理しなくていいからな」
「…うん、ありがとうレーヴェ」
「おやすみ」なでなで
「おやすみなさい」
というわけでこの晩ミシェルさんはハグハグギューの刑(ご褒美)ですね。
翌日レンちゃん微熱程度だけどお休みすることに。
下校時間にティータがキンコンダッシュする。
(終礼終わったらソッコーで帰るの何ていうか忘れた)
レンのお見舞い行こうと。
「ティータ!」
「っ!…カイリ君」
「お前、レンのとこ行くのか?」
「あ、うん、そうだよ。お見舞い」
「…俺も、行く」
「えっ…」
「…」
「う、うん、じゃあ行こうか」
ってゆーか、仲良いクラスだとみんな名前で呼び合ってたりするよね!羨ましい!!
「「…」」
気まずい帰り道。
無言で家まで来ちゃう。
「…道場?」
「うん。…ごめんくださーい」
「はーい」
「!」
ミシェルさん登場。
「ティータちゃんいらっしゃい。あら」
「あの、…昨日はすみませんでした!」ぺこ
「お、おう。お見舞いに、来てくれたの?」
「は、はい…」
「レンちゃんもう結構元気だよ。ティータちゃん居間に案内してあげてくれる?」
「はい」
というわけで居間へ。
「レンちゃん!」
「ティータ…!」
「よ、よお」
「…いらっしゃい」
「もう起きてて大丈夫なの?」
「ええ」
「よかったぁ…これ、今日もらったおたよりと、宿題ね」
「ありがとう」
「ティータちゃーん、ちょっとー」
「はーい!…ちょっと、行ってくるね」
「うん」
(ミシェルのばか…)
「ちょっと二人にしてあげないとね。話しにくいでしょ、彼も」
「うう、ちょっと不安だけど…」
「根は良い子じゃない。ちょっとアガットに似てるかも」
「全然違うよぅ!」
「ふふ、ごめんごめん」
そんなわけで二人残される。
プリント見てるふりするレンちゃん。
「…昨日はごめん」
「いいわよもう」
「…本、見つかったか?」
「ええ」
「…よかった」
「ヨレヨレだけどね」
「ぐ…買う」
「いいのよ。他のじゃ意味ないの」
「…ごめん」
「だからもういいんだってば」
「…」
「おまたせー」
「「!」」
ティータはお茶と食器、ミシェルは炊飯器持って登場。
「…もうご飯?」
「それが違うんだなー。驚けよー」
炊飯器の蓋開けてお皿かぶせて御釜ひっくり返す。
「とりゃー!…じゃーん!」かぱ
「「「…」」」
「どーよ!」ドヤ顔
「何よこれ」
「…プリン、かな?」
「そうだよー!もっと驚いてー!」
「すげーでけープリン…」
「もっと声張ってこ!男の子でしょ!」
「…」
「シャイだね。ふふ」
「ってゆーか、ご飯前にプリン食べるの…」
「まぁまぁ堅いこと言いなさんな」
というわけでプリンを食す。
つついてないよ!
ちゃんとスプーンでとりわけてるよ!
「「美味し〜〜〜!」」
「炊飯器でプリン作るの初めてだけど、成功してよかったー」
「プリンって作れるんだな…」
「当たり前じゃない、何言ってるの?」
「え…ティータの家も手作りのプリン出てくるか?」
「うちは無いかな…」
「だろ?」
「ミシェルは何でも作っちゃうんだから!」ドヤ顔
「なんでお前がドヤ顔なんだよ」
ミシェル自慢。
「ふふ。そうだ、今日カレーなんだけど二人とも食べていく?」
「え…」
「あ、わたしは帰ります。…お姉ちゃんのカレーも捨てがたいけど…うぅぅ」
テンション高め。
ミシェルご飯大好きティータ。
「帰っちゃうの?」
「今日、お母さん達帰ってきてるの」
「そうなの?わざわざありがとう」
「ううん、レンちゃん元気そうでよかった!また明日!あ、無理はしないでね?」
「ふふ、ありがとう」
「…カイリ君、ミシェルお姉ちゃんのカレーすごい美味しいから食べていくといいよ?」
「お、おう」
「それじゃあまたね」
カレーはスパイスたくさん使ってるから、具合悪い時とかに良いらしい。
漢方なんだって聞いた。
「じゃ、食べていくってことでいいのかな?」
「は、はい。…いいんですか?」
「ダメだったら帰ってって言うよ」
「…何か手伝うことありますか?」
「それがないんだよねぇ。宿題でもやってたら?」
「はい…」
というわけで二人で宿題始める。
「…ちゃんと宿題持って帰ってきてるのね」
「真面目だからな」
「ふーん」
「つ、つっこめよ…」
「ふふ」
「…///」
「勉強出来るんだから、ちゃんとすればいいのに」
「…めんどくせーから」
「おぼっちゃまも大変ね」
「うるせー」
おぼっちゃま。
まぁ兄貴とかいるけど超過保護なママンがね。
兄貴に見下されてるとかね。
「レンのかーちゃんかっこいいな」
「ふふ。そうでしょ。自慢のママよ」
「俺もあんくらい若くて美人なかーちゃんがよかったなー」
「親は選べないものね…あ、ごめんなさい」
「いや…」
レンも、孤児だっていうけど、何かあったのかなって思うカイリ君。
「…ここわかんねーんだけど…」
「んー…ここは…」さらさらさらっと
「(顔近い)…///」
「この文法。…なに?」
あっ顔近い…
「レン…」
ガラッ
「「「「…」」」」
「…おかえりなさい」
「「…ただいま」」
「お、お邪魔してます!」ぺこ
ガンッ
「い"っ…!!」
「ちょっと…大丈夫?」
「お、おぅ…」
お兄ちゃんズとの邂逅。
「えっと、お友達?」
「クラスメイトなの」
「カイリ・ナンジョウです…」
「兄のヨシュアとレオンハルト」
「こんばんは」
「どうも…」
「ご飯食べて行くから」
「ご馳走になります」
「ゆっくりしてってください」
「…」
「レーヴェ、着替えてこよう」
「…あぁ」
レオンハルトさんの何だお前感がすごい、ひしひしと、感じるカイリ君でした。
「お前の兄貴?」
「一応ね。レーヴェ…レオンハルトはミシェルの夫」
「まじかよ…」
「ふふ。すごいでしょ」
「マジですげー」
というわけで晩ご飯です。
それではみなさんご一緒にいただきまーす。
「カイリ君のお口に合いますでしょうか」
「マジでうまいです…すげー…泣きそう…」
「えっ大袈裟なんだけど…」
「(本当に涙目だ…)」
「うちの母親料理作らないから…」
「えーそうなの?あんな過保護っぽいのに」
「ミシェル…」
「だってほんとだもん」
「うちは母親じゃなくて料理人が…」
「は?金持ちかよ!」
「ミシェルさん…」
食べ終わってお皿洗いしてくれるカイリ君。
いい子。
「…よし」
「なに、普通に良い子じゃん」
「な、なんスか…///」
「大変だったでしょう?助かっちゃった。ありがとね」
「これくらい全然…」
「…帰り、送って行こうか?」
「いや大丈夫です」
ドアの間から覗いてた夫妻。
「即答だよ。レーヴェ恐れられてるね」
「いやいやいや…ってゆーかほんとにメチャクチャイケメンすね。すげー無修正でこのクオリティ…」感動
「無修正はやめろ…」
「すげー喋ってる…」
「…」
「ふふふ…あはは。おもしろ…っ」
「言っとくけどミシェルも最初こんな感じだったからな」
「そうだっけ?」
「いや、一般人はこうなりますって!いやもうなんか抱いてほしいっす」
「…」
(⊃^-^)⊃
(文字化けしてないかな…)
「うおおおおおおお!」
「…何してるの?」ドン引き
「はっ…」
「あはははは…ひーっ!レンちゃんタイミング良すぎ…っ」
「…もう遅いし、レーヴェ送ってあげたら?そのほうが喜ぶんじゃない?」軽蔑の眼差し
「レン何勘違いしてんだよ…」
「さぁ。私もう寝るから。今日はありがとう。またね」
「お、おう」
なんだかんだ家まで送ってあげる。
ミシェルさんも付き添う。
「素直で可愛い子だったね。アガットに似てるって言ったら、ティータちゃんに怒られちゃった」
「…アガットはあそこまで軽くないだろ」
「んー確かに…」
「どっちかっていうとミシェルに似てる」
「そうかなぁ…どうです?レンちゃんの彼氏に」
「ダメだぞ!」
「お兄さん…」
ごめん完全にリディさんのこと頭から消えてた!
カイリ君可愛い…
既に私が揺れてるってゆー
次もっかいリディさん出します。