蟷螂(トウロウ)とは、かまきりの事です。

「ゆきかまきり」

極寒の地を舞台に、2つの民が争い、憎み、愛し合う。

紅玉いづきさんの、最後の“人喰い物語”です。


発売は今年の2月頃なんですが、買ったは良いものの、読まずに数ヶ月。

先程読み終えました。


ミルデの少女がタペストリーを渡すシーン、印象深かったです。

そして、解らなかった事が繋がってゆく面白さ。

ロージアの激情、狂おしい恋に、胸が熱くなりました。

その中でも凍血戦争の終焉、谷の魔女のもとで交わされた言葉はとても、美しくて悲しかった。

ガルヤ達にしても、アテージオ達の会話にしても…洗練された言葉の一つ一つが重要で。

まるで必要の無いヵ所など無い様に感じられる、お話しでした。


読み終わってしまった後の余韻は、少しの間続きますが。

時間が経つにつれ、よく思い出せなくなる事がしばしば。


それが普通なのか、私がおかしいのかは解りません。

しかし、意識しなくても、どこかに何かは残っているものなんだと思います。


終わってしまった物語は、きっと胸の奥深くへ。


…きっと。