オデットとドルチェは買っていたのですが、神様は結構な巻数になっていたので買っていなかったんです。

(と言うよりここ数年夏目と黒執事しか買っていなかったという ←)

まぁそんな訳でして。

短編集とのことでしたので購入して参りました ←遅い


ネタバレ含みますので閲覧注意です。


収録作品は『朝がくる』『星になる日』『マイ ブラッディ ライフ』『サクラチル』『拝み屋裏台帳』『椿檻』。

平成16・17年の受賞、デビュー作などです。


8年前、私は中学生でした。

LaLaを買いあさり、ザ花にまで手を出し始めた時期です。笑

『サクラチル』は恐らく、最初にザ花を買った時に掲載されていたものだと思います。

『椿檻』を読んだ記憶が無いので。

もうそんな前なんだなぁと感慨深くなりました。


さておき感想へ。

『朝がくる』
受賞作品らしいです。

病気で倒れた男の子が、夢の世界で女の子と出会い。

現実に戻って、女の子を眠りから覚まさせる。

眠り姫みたいな感じですかね。

自分の名前を呼んでくれる人、そんな人が恋しくなりました。


『星になる日』
表題作です。

表紙の雰囲気が、内容と激しく合ってない気がしますが致し方ないでしょう。

吸血鬼が、目の不自由な命の少ない少女に希望を与え、幸せを与え。

彼もまた命について何かを得たような、そんなお話です。

哀しく、愛しい。


『マイ ブラッディ ライフ』
家族ものです。

人間の母と吸血鬼の父との間に生まれ、そのまま母に人間として育てられ。

吸血鬼として覚醒してしまった息子を、父親が引き取りに来るという。

愛していたのに、老いない父親は子供にとってはよくないと思ったのかは分かりませんが。

子供への思いやりが強く感じられた作品です。

あったかい。


『サクラチル』
春のお話です。

桜の精は見た…ってところでしょうか。

好きな男の子の大事にしている物を盗って埋め、影響を及ぼしていることに満足するヒロイン。

その一部始終を知る花の精は軽蔑することもなく、受け入れてくれる。

それを知った男の子も許してくれるという、なんともご都合主義な話ではありますがね。

醜い自分を受け入れて、許して欲しいという気持ちは分かります。


『拝み屋裏台帳』
除霊の話です。

女の子の除霊の為にデートをし、振り回され、理由を聞かされる。

そして悲しきかな新事実を聞かされるという。

少しシリアスで面白いお話でした。


『椿檻』
妖怪ものですかね。

魔界の入口に迷い込み、餓鬼に追われて入った日本屋敷。

そこで出会うは主様に飼われた寂しき人間。

寂しいから、一緒にいて欲しい彼と。

もう生きてはいけないから、行ってほしくない主様と。

三人の思いが交錯します。

外の世界を知った小鳥の物語、良作です。


全体的に悲しいもの・寂しいものが込み上げる作品ばかりでした。

収録順も、よく考えられていて良かったです。

孤独と回帰、諦めと希望、変化と進歩、醜態と誠実、消失と落胆、平穏と最期。

胸に響く作品です、是非に!