捨てる勇気を、
見放す勇気を、
それでも己のまま歩く勇気を。


恐らく、今日。私の精神は崩壊するかもしれない。あくまで『かも』だけど。
昨日も昨日で苛立ちが朝から酷く、私が気付く前の事をわざわざ私に伝えてやらせようとするその根性に苛立って、『引き取らなきゃ良かった』そんな言葉に頼んだ覚えなんかねえんだよと悔しくて包丁を振り回しそうになった程。
我慢出来ずに怒鳴ってしまった。


その声で、本気で私が憎んでいると知らされた。何処から出たのかわからない声を張り上げて…悔しそうに憎そうに。

私は家族が嫌い。
腐った根性も自分を求めるが故の身勝手で理不尽な意味に、昔から私は嫌悪してたんだ。



弱気になるな。
諦めるんじゃない。
今自分に怒りが込み上げる。


家族が好きじゃないのが何。
憎んでいるのがなんだ。
それだけのことで私は私を見失うなら、無意味な理性など持つな。
いいか、傷のなめあいじゃない。
これは決闘だ。

自分をぶち壊せ。












矢尾くんと言い合いしたとき。
私は他人に向けた怒りを知った。
食い下がらない姿勢は、意志は、互いにあった。だけど私がそんな風になったのをみせれたのも矢尾くんだけだと気付く。
出来るんだ、きっと。



諦めるには理由が足りない。
悩むには足りない十分な理由。


今は信じた場所に行くだけ。
この世界で生きるつもりなんて最初からないならそれでいい。

それだけで十分なんだ。



……負けない。