「ぎゃー!!!!!」
「どうした神楽ぁああ!!」
突然上がった悲鳴にトイレから飛び出して居間に駆け付けると、
「おぃおぃ、チ●ポぐらい片付けてから来いヨ」
冷ややかな視線と、悲しい言葉が待っていた。
「……………………神楽、さっきの悲鳴は…?」
「あぁ、あれ私のじゃナイネ。テレビのヨ」
「………………んだよ!! 紛らわしい!!」
「そっちが勝手に勘違いしたんだロー!! もういいネ姐御んちで見るヨ!」
「そうしろ! ぜひそうしろ!! 俺んちでホラーなんか見るんじゃねぇ!!」
ばたばたと家を出ていった神楽がいなくなると、居間ではテレビの音だけが流れていた。
「ったく、テレビも消してけよ。………………………………………………………いや、別に銀さん怖いとかじゃなくて!? 節電のために消すんだし!? べ、別にホラーとか興味ないし! 幽霊なんてこの世には存在しないし!!」
「ちょ、ちょっと見てみっかな………」
そのまま番組を見続けることにして、電源を切るのは止めた。
『部屋でうとうとと居眠りをしていると階段をゆっくりと誰かが上ってくる音がする』
かん、かん、かん。
「!? …………………いやいやいや、幻聴だって〜。こんな時間に万事屋にようのある人なんていないし〜? あ、そうだ神楽じゃね!? きっとそうだって! うん、そうだ!!」
『気のせいだと思い、また眠りに着こうとすると今度はドアをノックする音が聞こえる』
どん、どん、どん。
「ふ、ふざけてんのか神楽!? 銀さんからかってそんなにおもしろい!? 銀さんもうブロークンハートまっしぐらだよ!?」
『恐怖で身を縮めていると、戸が開いて廊下を踏みしめる音がする』
ぎしっ、ぎしっ、ぎしっ。
「いないいないいない!! 幽霊とかおばけとか!? この世には存在しないしー!? べべべ、別に俺が今こうしているのは地震に備えて避難訓練してるからで!? 別に怖いから布団かぶってるわけじゃないから!! ちなみにこれ言い訳でもないから!!」
『足音が止まり、一瞬の静寂があった。ごくりと息を飲むと…………』
「なにしてんだ? 万事屋」
「ぎゃー!!!!!!」
『うぃー、ヒック。飲み過ぎちまった』
『もぅ、お父さんたら! もう丑三つ時だよー?』
「………………………あれ? 多串くん? …………………………………紛らわしいんだよてめぇええ!!!」
「んだとゴルァアア!? ヤル気かおい!! ていうかなんでテメェ●ンポ出しっぱなしなんだよ! ズボンちゃんと履けよ!!」
「……………………そうだヤろう!! 一晩ヤッてれば平気じゃね!? 土方ナイス〜!!」
「はぁ!? いやテメェちげぇよ!! そっちのヤルじゃなくて!! っておぃいい!? どこ連れてくんだよ!? だからズボン履けって!!」
「今夜は帰さないから! 別に怖いからとかじゃなくて!? 土方くんをこんな夜中に外歩かせるのは危険だし? 久しぶりに土方くんを味わいたいし? だからおばけ怖いわけじゃないから!! 断じて違うから!! あとズボンは今から脱ぐからいらないし!」
「怖いなら、んな番組見んじゃねぇよ!! つーか俺を巻き込むな! 帰るわ!! 用事もまた今度でいいからよ!! そんでズボンも脱ぐな!!」
「絶対帰さーん!!!」
「は、な、せ!! この天パ!」
「あ、言っちゃいけないこと言った! 俺、深く傷ついたよ!? 慰めろ身体で!!」
「ホラー見たら発情すんのかテメェはー!!??」
「俺が発情すんのはお前にだけだー!! 今日はもう死んでも帰さねぇ!!」
そんな感じで押し問答を繰り返すうちに、雀が泣き出し朝日が登った。
「ただいまヨー。銀ちゃーん? 朝ごはん何アルカー?」
居間の戸を開けると、
「こいつら…………朝っぱらから不快なもん見せやがって…!!
おら起きろ銀髪パーマァアア!!!
てめーら真っ裸でなにやってるアルカー!!!!」
End
ちょっと調子に乗りました………(__;)
友人のブログに「今日は帰さない」とか書いてあったんで…………そっち方面にしか思考が向かなかったんです、仕方がなかったんです、銀土ならこの展開許されんじゃね? って思ってました、すんませんした。
でも良くね!? この展開!!