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舞う蝶のようにヒラリ、

宙に漂う不可思議な光。
黒木メイサちゃんの新曲は一度聴いたら頭に残るなあ。
こんばんはー糸結です!
なんだか久々な日記ですねーwww

今日はちょっと思い切って髪を切ってきましたー
今までは後ろだけ長い感じだったんですが、「もうめんどくさい!」と(笑)
前髪が目にかからない長さまで切ってもらったので視界が明るいです(*^^)v

最近の私はというと、久々に読み返した「京&一平シリーズ」にはまってます。

【京&一平シリーズ】こと【迷宮シリーズ】は神谷悠先生の少女マンガ。
容は事件の推理と人間の成長、って感じでしょうか。

***あらすじ***

美しい容姿に頭脳明晰、しかし冷淡無表情な青年「綾小路京」は、ひょんなことから同じ大学の「山田一平」と部屋をシェアすることになる。
しかしこの山田一平、大家族の長男で家事が完璧、人見知りもなくおせっかい。
一緒に住むことになった京に色々おせっかいを焼いていく。
そんな二人が事件に巻き込まれ、京は犯人を見つけ出す――という感じ。もちろん一平も活躍。
人間味溢れた裏表のない一平の性格に、京も徐々に変わっていくのを見守り隊。
あとこの漫画ですごいのは、ふつうにBLがあるぞ!(笑)
サブメインの結城&アキラ。
監察医の結城久義と、学生のアキラは部屋が隣同士で家族ぐるみの付き合いのなっていくのだが、
なんと結城は同性愛者だったのです。
アキラは結城を信用してるし好きだけど、これは恋愛感情ではない…。と悩むわけですが
この二人も切ないしあったかいしですきだなあ!!///


…とまあ、こんな感じでハマっております。
結城の「アキラに恋人ができても、アキラのそばにいることを許してほしい」みたいな台詞があったんですが、あれは泣いちゃったよ…。

まあそんなこんなで、集めた漫画を読みふけってます(笑)
あーーーーもう幸せになれよお前らあああああ!!!(笑)






さて、追記で久々にお話でも。
more...!

薄紅の幸福



今回はおはなしでございます。
苦手な方はそのままバック!















時空を超えてまたいつか
あの日を誇れるように







*薄紅の幸福*







 長い髪を風の吹くままに任せて、少女は目を閉じた。日差しはもう春の訪れを告げている。少しひんやりとした風は、さしずめ冬の終わりを示すかのようだ。
この国に多く植えられている木々が、淡く色づいた花弁を風に揺らしている。時折舞行くその美しさに、いつだって心奪われてしまう。
――そう、今だって。

 春に咲くこの花は、地上から持ち込んだものだという。地上は素晴らしいだけの場所ではないが、この花は純粋に素晴らしい。“桜”と呼ばれるこの木を、象徴とする国もあると聞く。それだけ、この木は皆から美しいと思われているのだと思うと、自分のことでもないのに嬉しくなった。

そんな自分を嫌いじゃない。

微笑んで、少女は淡い桜の花を見ながら唄を紡ぐ。閉じていた瞳を開けば、サファイアの瞳に薄紅が映る。
美しいその景色の中、唄を紡ぐ声は高く、透明で、繊細に。まさに天使のようだと思わせるその声の主の背中には、純白の羽が。

白き国
そこに住まう少女の歌声は遠く響く。
歌を受けた花は、喜びを表すかのように美しく花を揺らす。



この美しき日を
いつまでも忘れないように
いつになっても誇れるように

そうなるように、私は力を尽くすんだ。















(少女の髪は美しき金糸)
(天使の長として生きることを決めた)




創作小説「禁忌」を春風味で。

カトレアのようなひと


今回はカトレアにぴったりな人のお話。
創作小説「禁忌」より、魔族のザリウス視点でお送りします。








 青々と茂っていた木々の葉が、少しずつ色を変え始めている。そんな些細な、けれども大切な秋の訪れを感じて、ザリウスは瞳を細めた。
 暑く照りつける日差しも、今ではもう穏やかだ。そう感じる余裕があることが、少なくとも今は平穏だと教えてくれる。戦争などしていたなら、こう感じる時間など有りはしないのだろう。――普通なら、だが。

「……隠れてないで、出てきたらどうだ?そこでは、この紅葉も満足に見えないと思うが」

 がさ、と茂みが音を立てる。そろりと顔を出したのは、幼い少女だった。あどけなさを残した顔は、あと何年かすれば十分に男を惑わせることができるだろう。それほどに、美しい顔立ちをした少女だった。

「……いつから、知っていたの?」

こっそりと茂みに潜んでいたのは、その美しい景色を壊したくないから。赤く色づく葉を眺める、その紅の瞳があまりにも美しくて。風に踊る紫の髪が、あまりにも綺麗で。
背景に溶け込む男の、邪魔をしたくなかった。なのに、知られていたなんて。

「初めからだ。……いつまで経っても、出てくる気配がなかったからな」

微笑みを見せる綺麗な男を、桃色の瞳で少女は見つめた。このひとは、きっと偉い人なんだ、と心のどこかで直感する。

「…きれい」
「そうだろう」

美しい。
そうとしか言えない少女は、ひっそりと思う。
こんな風に、優しい人の側で働けたら。美しいこの人の、役に立てたら。

そして少女は、彼と再開を果たすことになる。美しく成長した姿で。
彼は変わらず微笑んで、彼女を魅了した。







カトレアの花言葉→「魔力」「成熟した魅力」「魅了」







「ザリウス、またこんなところに」

「見つかったか」

「当たり前だろう。さっさと戻れ。……まだ、秋の訪れには遠い」

「分かってるさ。……待ち遠しいな、フェーラ」



(ザリウスとフェーラの出会い)
(全てを魅了する男はまるで)

背くな、道は前にある


 剣をこの手に握ったのは、いつだったか。物心がつく頃には、柄を握ることに慣れてしまっていた気すらする。
ずしりと手のひらにかかる重さに、ルイはそっと瞳を伏せた。

 魔族に襲われた回数なんて覚えていない。なぜ、どうしてと問う間もない魔族の攻撃に、幾度となく傷を追ってきた。
そしてそれに対抗するには強くならなければいけないのだと、幼心に悟ったのかもしれない。

「ルイおねえちゃん!」

明るい声に名を呼ばれたのは、そんなことを考えているときだった。
深く意識に潜っていたルイの思考が、その幼さゆえに高い声に反応し、浮上する。振り返れば、そこには7才ほどの子供が笑顔を咲かせていた。

きらきらと輝く笑顔には、何ひとつ曇りなどない。曇っていてはならない。
足元に走り寄って来たアイラの柔らかな髪を、くしゃりと撫でる。ふわりとウェーブがかった肩までの短い髪が、くるくるとまとまりをなくした。
それに講義するどころか、楽しそうに目を細める少女に、つきんと痛む胸を抑えた。

(少女の汚れなき瞳を、このまま守り抜くための強さを、誰か私に与えて下さい)

子供たちの希望に満ちた未来を、明るく照らし続けるための強さが欲しい。
もう、私のように、誰にも武器を持たせたくない。

子供たちの小さな手は、何かを壊すためではなく、創るためのものだから。





+ + +

キャラのページに名前しか出ていなかったアイラ登場。しかし一言しか話してないという(爆)
アイラは小さい女の子なんですよという話。

強さを求め、弱きを知る



――どうして。

 幾度となく繰り返してきた言葉。ただひたすらに、自分の中を占める存在を想った。
どれだけ想っても、もう伝えることなどできはしないのに。

 月明かりが差し込む深い森で、少女は一人泣いていた。止まらぬ涙は、枯れることを知らない。声もなく、闇に紛れ、小さな肩を震わせていた。
長い桃色の髪が、俯く少女の顔を隠す。髪の隙間から見える瞳は濃い灰色。澄んだそれから、きらりと輝く雫石がぽたりと落ちた。

 何が間違っていたのだろうか。ただ、愛し合った、それだけだというのに。お互いがお互いを求め合った、ただそれだけだというのに。

「何故…私を置いていった…?」

月は何も答えない。ただ、その光を闇に捧げるのみ。
月を見上げ、涙を拭った少女は、閉じた瞼の裏に愛しい人の姿を映す。まだ目の前にいるかのような、鮮明なその姿に、胸がずきりと痛んだ。

「ザシア…。お前を、私も…」

神魔族と魔族。相容れない立場での、揺るぎない純粋な恋だった。そしてそれは、本当に僅かな時間だった。
それでも、この胸の痛みが、彼への想いを証明している。彼との過去があったのだと、証明している。

だからこそ。
だからこそ、この胸は痛むのだ。
痛む胸を押さえ、少女は月を恨めしげに睨みつけた。

「もう、誰も失わない」

 自分の弱さを痛感した。強さを求めて来たはずなのに、失ってから気付くだなんて、なんて未熟なんだろう。
全てを守る、全てを捨てる強さが、私は欲しいのかもしれない。

少女は森の奥へと歩を進める。
月明かりは、干渉できなかった。







* * *

いずれ出てくるだろう、「禁忌」の話、
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