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メシア、君に捧ぐ

テスト勉強の合間に。
あれですよあれ、気分転換!気分転換って大事だよね!!←




『メシア、君に捧ぐ03』


遅くまで執務室に残る劉輝の傍に紬は居た。何時だって紬は劉輝の直ぐ近くに居るのだ。姿は見せずとも、確かに劉輝を見守ってる。

劉輝には其れが嬉しくて堪らなかった。邵可や宋太傅とは違って、紬の一番は劉輝だった。何よりも自身を優先し、慈しみ、護ろうとしてくれる。そうして時を重ねていく毎に、劉輝にとって紬はなくてはならない存在となったのだ。

けれど紬は必要外の時には決して姿を見せない。劉輝が危険な目に遭ったり命を下す時以外には其の姿を隠しているのだ。
其れ故に劉輝は不安になる。秀麗という温かな女性(ひと)を知った今では尚更だ。己が独りだと、思えてしまうのだ。紬は其処に居るのに。それでも一切の気配を気取らせずに身を隠す紬に、劉輝は其の存在が本当に自分の傍に在るのか解らなくなってしまう。自分が独りだと錯覚するのだ。寂しく、なるのだ。


劉輝は思わず袷からそっと手巾を取り出した。秀麗から貰った、桜模様が刺繍された手巾。
誰かから何かを貰うのは其れが初めてだった。其の手巾を貰った時、どうしようもないほどに胸が温かくなった。贈り物とはこんなにも温かい気持ちになれるのかと驚いた。

そして劉輝は密かに決意したのだ。

今度劉戰に――紬に何かを贈ろう。

彼女の顔が綻ぶ様を、見たかった。


手巾を眺めている内に温かい想いが込み上げてきて、劉輝は手巾に口付けを落とした。そして思い付く。


「……そうだ。今度の『贈り物』は此れにしよう」


秀麗の喜ぶ顔が、劉輝の脳裏に浮かんだ。




「主上……」


天井裏で紬は呟く。
さっき劉輝が持っていたのは秀麗から貰った手巾だった。美しく咲き誇る桜が刺繍された、劉輝の初めての貰い物。そして彼は其の手巾に唇を落とした。とても優しげに――愛おしそうに。


「幸せですか、主上」


劉輝が幸せであればと思っていた。
末の公子だからと暴力を振るわれ、闇を怖れていた劉輝が笑って過ごせるようになればいいと。

――それなのに。

それなのに此の胸を締め付けるような痛みは何だと言うのか。


「主上、主上……劉輝様――」


此の涙は、一体何だと言うのだ――。



ううむ。劉輝は難しい……。

メシア、君に捧ぐ

前回の続きを載せてみる。

うーん、以外と此の連載楽しいかも(^∀^)ノ



『メシア、君に捧ぐ02』


執務室に笑い声が木霊する。何時もは底の見えない微笑を湛えている彼、楸瑛の笑い声だ。其れ聞きながら紬はひっそりと思う。――藍将軍は中々に笑い上戸なのですね。


「でてけ」


「くっ、いや、すみません。あまりにも微笑ましい夢でつい」


「悪夢だ」


「ははははは!」


何でも紬の主、劉輝は夢を見たそうだ。劉輝が恋い慕う少女であるところの秀麗が、其の家人であり昔流罪にされた劉輝と父を同じくした兄、清苑――静蘭と結婚をする夢。
何時もと同じ様に執務室の天井裏に潜んでいた紬は、主上付きの二人に夢の内容を語る劉輝を見ながら申し訳ないと思いつつも笑いそうになった。まあ、必至に堪えたのだが。
そして其れと同時に空虚感が胸を占めた。痛いと、感じたのだ。何処にも怪我なんてしていないのに。どうしてだろうと紬は首を傾げた。


「因みに、一番最近に送ったものは?」


「藁人形だ」


どうやら話は発展したらしく、劉輝からの秀麗への贈り物の話へと変わっていた。
――それにしても主上は普通の感覚で贈り物として藁人形は不適切だと気付かないのでしょうか?
仮令其れが霄太師に騙されての事だったとしても、藁人形はないだろう、藁人形は。そもそも劉輝は以前に彼岸花すら贈っていた。彼岸花――墓場に沢山咲いている花である。
劉輝に『普通』を求めるのは間違っているのだろうか?紬は暫し主の行く末を心配した。


「劉戰にも何が良いか聞いたのだが、『主上が御自分で考えて贈ったのならば、仮令何であろうと紅貴妃様――紅秀麗様は喜んでくださると思いますよ』と言われてしまって答えてくれなかったのだ……」


「? 主上、『劉戰』とは?」


「ああ、紫鬼の事だ」


「しき……主上専属だという影の『紫鬼』ですか?」


「そうだ。紫鬼は黒狼と同じで渾名(こんめい)みたいなもので、本名を劉戰と言う」


紫鬼(しき)。紫の鬼。紫――王家の鬼。王にのみ仕えることを許した孤高の鬼。紫鬼は王――紫劉輝にのみ其の膝を折る。
そして其の紫鬼の名を、枷劉戰(か りゅうせん)と言う。
そう即ち、枷劉戰とは繋影紬(かえい つむぎ)の事である。紬の彩雲国仕様の名として先王が与えたのが『劉戰』という名だったのだ。
名から解るように、男としての字である。


「……って主上、そんな事言ってもいいんですか?『彼』は影なんでしょう?」


楸瑛の言からも解るが、楸瑛は(勿論絳攸も)紬の事を男だと思っている(劉輝は紬が女だと知っているし本名である『紬』という名も知っている)。そう思われるように紬は故意に男装をしているのだが、『あの』楸瑛にまで自分が女と見抜かれないとなると何だか物悲しさを覚えてしまう。


(まあ実質たった数秒の邂逅だったのですけれど)


茶太保の思惑により攫われた秀麗を取り戻しに行く時。劉輝は楸瑛の同行を足手纏いになるからと拒否した。けれども尚食い下がる楸瑛に、劉輝は自分には既に護衛が居ると言ったのだ。其の時に数秒だけ紬は紫鬼として楸瑛と絳攸の前に姿を現したのである。勿論顔が見えないように外套を被り、更に狐の面を着けて。


「いいのだ。楸瑛達には劉戰の事を知っておいてもらいたかった」


「……紫鬼は黒狼ように先王の時代から存在するのですか?」


やや沈黙した後、口を開いたのは絳攸だった。


「いや、劉戰は父上には仕えていなかったと言っていた。だから『紫鬼』は劉戰が一代目だ。絳攸も楸瑛も紫鬼の名を聞いたのはあの時が初めてだっただろう?」


「そうですね。紫鬼なんて者が居ることすら知りませんでしたよ」


全く、私が居る意味はあるんだか。ねぇ絳攸?
楸瑛は此処ぞとばかりに溜息を吐いた。
正に其の通りである。王の、劉輝専属の影が居るというのに、劉輝付きの武官である楸瑛は必要なのだろうか。


「ふん、良かったじゃないか。主上付きは体のいい左遷だと貴様も言っていただろう?」


「うっ!絳攸も楸瑛も酷いのだ……」


「あはは、あの頃は主上に散々逃げられてましたからね、そう思うのは当然でしょう?」


「うぐっ……!だ、だが楸瑛は必要だ!」


「はいはい、そう言っていただけると光栄ですね」


「む、なんだか投げ遣りなのだ。絳攸、楸瑛が余を虐める!」


さっと絳攸に期待の眼差しを向けた劉輝を絳攸は鰾膠(にべ)もなく斬り捨てた。


「おだまんなさい。其れより書翰は終わったんですか?」


ぴしゃりと言われて劉輝はしおしおと項垂れる。
どちらが臣下なのか甚だ疑問だし、敬われてるのか?と、首を傾げそうにもなるが、其れでも楽しそうな己の主の姿を見て、紬は眼を眇めて嬉しそうに――幸せそうに笑った。


もう独りではありませんね、主上。
主上の傍には李侍郎が、藍将軍が、此静蘭様が、紅秀麗様が、紅邵可様が居る。もう独りで泣く事もなくなる。

――それでも私は、未だ主上の傍に居ても良いですか?


紬はふいに泣きたくなった。



…………長い(汗)

メシア、君に捧ぐ

もう少しでテストです。
と、いうことで更新一時停止になります。

うう、申し訳ありません……。



最近彩雲国物語を読み漁ってる私。今『漆黒の宴』を読んでるところです。

うん、なんていうか読んでたら夢小説を書きたくなったんですよね。……うん。
と、いうことで前回の設定で書いたヒロインの話を書いてみた。ので載せてみる。

因みに続きも書いてたりします。←



『メシア、君に捧ぐ01』


秀麗の腰に腕を回しながら劉輝は叫ぶ。声にならない其の叫び声は、何時しか人の名を紡いでいた。


「劉戰!劉戰っ――紬!!」


乞うように、懇願するように、失うことを怖れるように、求めて、求めて――消えないように、劉輝は名前を呼び続けた。一人の少女の、名を。延々と、延々と。彼女は決して自分の許に現れないと、彼女は決して自分を抱き締めてくれないと知りながら、それでも尚縋るように其の名を呼ぶ。
彼女の温もりが堪らなく愛しくて――抱き締めてほしいと、そう願いながら。


(申し訳ありません……劉輝様――)


叫ぶ主を眼下に見ながら劉戰(りゅうせん)――紬(つむぎ)は静かに瞑目した。
握り締めた掌に爪が食い込み幾つもの赤い線を残す。其の傷は自らを戒めるものだと紬は思った。

名を、呼ばれたのに。誰よりも何よりも己よりも大切な主に名を呼ばれたのに。其れなのに私はあの方の元へは行けない。
紅貴妃様が居るからというのもある。けれどそんなのは唯の言い訳でしかないのだ。

――私は汚い。血という汚濁に塗れた私が、王という至高の存在である彼に、綺麗な心を持つ彼に触れて良い筈がない。
私はあの方の影。あの方の忍。あの方の僕。あの方の奴隷。仕えるべき方に触れ、尚且つ抱き締めるだなんて、出来る筈もないのに――。それなのに。それなのにどうして私は。

どうしてあの方に触れたいと願ってしまうのでしょうか――。


ふふ、楽しい(^o^)/←

声を聴かせてよ

アンケートの回答が徐々に増えてきていて嬉しい限りです。――が!


Siriusの人気が無い!!


いやまあ解ってた事ですけどね?うん、知ってたよ?
元々自己満足100%の趣味丸出しな作品だしね!!!

でもあれですね。まさかの零票っていうのは物悲しさがあります。


うーん、更新停止にすべきかなあ……?
ゴミ箱にポイッて感じで、何時更新するかも解らない、寧ろ更新しないかもしれないって状況にもってこうかなあ。


取り敢えずアンケートでSiriusが零票だったら更新停止、若しくは更新停滞という処置をとるということで!

やっぱり需要があるのを連載しないとね!

君だけが私の総てで、

彩雲国物語を読んでたら夢小説を書きたくなった。

と、いうことで設定を考えてみる。
ネタバレありありだけど連載しないと思うから大丈夫だよね!←

NARUTO→彩雲国物語


繋影 紬(Tsumugi Kaei)
→枷 劉戰(Ryusen Ka)
『劉』輝と『戰』華より。男装名。彩雲国仕様。
名から解るように普段は男として過ごす。といっても先ず人前には姿を現さないのだが。そもそも影だし。
男装中の一人称は『俺』。但し周りが高官ばかりなので殆ど『私』。女として過ごす時も『私』。
敬語を常備。けれどキレたら男口調。
「主上への侮辱は死に値する」「来い、雑魚共が」

劉輝の呼び方は『主上』。但し劉輝を王と知らない人が居る処では『主様(あるじさま)』。時々『劉輝様』と呼ぶ事も。主に劉輝に呼んでほしいと言われたときだけれども。
此れが一番大事。彼女は『劉輝至上主義』。
「仕える主を違える気はありません。私の主たりえるのは劉輝様唯お一人。先王でもなく、清苑公子でもなく、霄太師でもなく、貴方様だけです、劉輝様」
瞳は禁色の紫で、彩雲国に来てからは幻術で黒く見せている。
髪は漆黒。綺麗な顔立ち。戰華としては射抜くような瞳がお気に入りだとか。
「顔を上げろ劉戰。お前の其の眼はいい。鬼姫に似ている」
身長は秀麗よりも高く劉輝よりも低い。


血継限界は『繋繋』Keika
境界、空間を繋ぎ結び、断つ。要するに結界系が得意。
一族の誰よりも強力な血継限界を受け継ぐ。
空間を結界で囲い真空状態にしたりとか用途は様々。
姓に『影』が入っていることからも解るが、『繋影』は五影と並ぶ実力を具えた一族。繋影の当主は五影と同等の権限を持っていた。其の力を怖れた里の上層部から一族を抹殺される。其の際に紬は霄に喚ばれ彩雲国へと飛ばされた。
因みに16歳→劉輝と同じ歳というオプション付き。
「困りましたね。――けれど劉輝様の傍に居られる時間が延びた事には感謝しています」


戰華に時代の王に付けと言われ、劉輝を指名。以後劉輝専属の影となる。
「あれは王の――紫 劉輝の為だけに動く影。此度の護衛は『紫鬼』に一任する」

『紫鬼』Shiki――紫の鬼。王(紫)の為の鬼。
紫鬼は「縲(しき)」に通じる。「縲」は罪人を縛る黒なわ。つまり紬を王家、ひいては劉輝に縛るという意を込めて。
「そんな事をされずとも私は死ぬまで劉輝様と共に在るつもりですよ?」


剣の腕は一流。勿論体術も達人級。
得意な忍術は幻術。というか其れしか使えない。分身とか有り得ないと思ってる子。ロック・リーみたいな感じ。
歳を重ねるどころか退行してしまったため再び剣術を磨いていた。ら、何時の間にか楸瑛以上の実力を身につけることに。戰華とタメはれる。黒狼とも互角。勿論先代黒狼とも互角です。


オチは劉輝。

劉輝大好き!私が!←
龍蓮も捨てがたいなとか思ってる時点で私は終わってると思う。
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