ぼろぼろと涙を流した。
それこそ、涙を拭うのも忘れ、大粒の涙がぽとりぽとりと落ちた。
右、左、右。
涙は交互に布を濡らす。
これは感動の涙で、恋情にも近い苦しい涙だ。
私はやはり、話を作りたいと思う。
『桜狩り』を読む度、読み返す度に、実感させられる。
渡瀬悠宇先生は、やはり私が小学生の頃から大好きで、その頃とは違う尊敬の念も今やある。
素晴らしい人だ。
さて、このブログでも過去を探れば、桜狩りの上巻の感想からみつかるだろうと思う。
作者自体、BL漫画といえばそれまでだが、そうではない。
同性愛をテーマにしながら、それを一般大衆に受け入れられる。そんな作品を目指したとか。
同性愛とは何なのか歴史を調べ、その背景とともに主人公が動いていく。
少女漫画という枠にとらわれず、読んでいくごとに、謎が深まり、暴かれる。
それはさながら、サスペンス小説や推理小説のようではないか。
素晴らしい。
素晴らしいのではあるが、実際言葉にするには、難しい。
私は、語彙力もなければ文章表現能力も乏しいからだ。
読解力は底辺をいく私に、感想文を書けというのが、酷なのかもしれない。
だから、私は読んで欲しい。
ただそれだけだ。
私もこんな面白い話が描きたいもんだ。