人に期待するなんてそんな独りよがりで傲慢なこと、したって意味ないのに
他の子よりは特別なんだって思いたがって
また痛い目見るんでしょ?


悲しいことに
可愛いも、好きも、お前だけ、も
使い古された言葉なわけで
渡し慣れた彼のその場の優しさで
のぼせ上がってるだけで

その場の時が止まって世界で2人だけみたいになって
自分が物語の主人公みたいに思えたあの夜も
掃いて捨てるほどありふれたストーリーで
自分が特別なんかじゃなかったって思いたくないから
たくさんの理由をつけて誤魔化す



キスをするとき閉じた睫毛も
抱きしめられたときの広い胸も
支えてくれる大きな腕も
軽々揺らすその腰も
ぜーんぶみんなのものだってこと
気づいてて気づいてないふりをするんでしょ
これからも


何してたっていい、思い返してくれなくてもいい
わたしだけじゃなくても構わないけど
今この時だけはわたしだけを見ていてね
気付かないふりをして笑ったわたしを
優しく抱きしめてね


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