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無題




何気なく開いた画面に届く通知
無音で羅列された文字が愛おしくて


何もかも思い通りで
その日が楽しければよかった頃知り合ったあなたと
こんな世紀末を共にするなんて思ってもなくて


切れちゃえば簡単に二度と会えなくなる存在
たまに交わす言葉で
まだ繋がってる、と見えない糸に安堵する


価値観を共有できたことは大きかった

気軽に会いに行けない距離で
気軽に会いに行けない関係で
変わらずいられることを実感する度そう思う


あなたがそういうひとだったからなのか
私がバカ女なのか


好き、なんて
そんなふうに片付けてしまえれば簡単なのに
そうもいかないのは
自分自身が認めることを許さないからなのか


こんなことにならなければ
そんなこと思う暇もないほど話して
体温を確認して
またなんてことない日常を過ごしたのに


今どうしてるの?

どんな風に生きてるの?


暇だから、寂しいからなんて言える
そんな女になれれば楽だったのに





今を知らない楽しそうに笑ってる頃の写真を見返す

こんなふうになってしまうなら
出会った最初からをもう一度させてほしい




離れれば抱き寄せてくれたあのひとを、思い出してしまう夜が早く終わればいいのにと思いながら、今日も既読の文字を撫でる




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