底抜けの優しさに期待しながら玄関を開ける
お出迎えしてくれたあなたが
いつもあげてる前髪をおろしてて
『おかえり』
久しぶりに包まれる腕の中で
そっと幸せを感じたの
『〜が帰ってくる頃に』って
わたしがあなたの家に行くことを帰るって言ってくれたこと
その、さり気ない扱いの慣れがうれしくて
ちょっとつらくて
浮き足立ってしまわないように
足元を確認しながら、くれた言葉を噛み締めるの
しばらくじゃれあって二人の間の空気感が変わるとき、理性が失われる感覚を思い出してあなたを受け入れる準備をはじめる
わたしの何回りも大きい身体に揺らされながら
自分の性をジンジンと自覚する
ずっとこうしたかった、の言葉を飲み込んで
押し寄せる快楽に口を噛む
どれだけ優しい言葉を並べていようとも
踏み込ませまいとするあなたの空気感を感じながら
現実離れした時間を過ごす
家を出てしまえば他人のふたり
街ですれ違う人よりも遠いふたり
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