お気に入りのソファーに並んでテレビを見ている時だった。
元親が好きな歌番組の合間に、短いCMが入った。
静かな景色を背景に、どこかで聞いたようなセリフを、女優が叫んでいる。
『50年後の君を、今と変わらず愛している』
陳腐なような、感動的なような、何とも言いがたい空気。
「…」
元親の方が、先に口を開いた。
「…薄っぺらいな」
あまりに素直な感想に、光秀は苦笑いで答える。
「素敵な台詞ではないですか。私もそうありたいと思いますよ」
「そうか? 俺は違うな」
あっさりと否定され、光秀はやや寂しい気持ちになった。口を尖らせて不満を表す。
「そうですか? きっと何年経っても、私の気持ちは変わらないと思いますけど」
嘘でも不確かでも、変わらぬ愛を誓ってほしかった。
「いや、俺は違う。俺は、」
しかし元親は再びあっさりと否定すると、真面目な顔で光秀の方に向き直った。
「50年後のお前を、今よりもっと、愛している」
たちまち光秀の頬は薄桃色に染まったが、それくらいで照れるような元親ではない。
「俺は一秒一秒お前をどんどん好きになっているんだ。今と変わらずなどとよく言えたものだと思う。俺の愛は深くなるばかりだぞ」
真っ正直な瞳で、元親は易々と言ってのけた。隠す必要もない本心だからだ。
「…ありがとうございます」
照れて目を伏せた光秀の肩を抱いて、元親はわざとため息をついてみせる。
「しかし、変わらないということは、お前の愛は増えないのか。寂しいな」
「増えますよ! 少なくとも減ることはないとお伝えしたかっただけです。…あ、始まりましたよ」
淫靡になりかけた雰囲気を誤魔化すように、流れ出した歌番組に注意を向けさせると、元親は大人しくテレビに見入り始めた。
「これ、どう思う」
「面白い歌だと思います。演奏も上手で、良いですね」
「こういうのが解るようになったか。これは〜」
そんな他愛ない会話の間にも、元親の愛は深まっているらしい。
耳慣れない用語の入り交じる元親の解説を聞きながら、光秀は幸せな気持ちで優しい肩に凭れかかった。
さまぁ〜ずの深夜番組、偶然チャンネル回したら「細川ガラシャ」の単語が聞こえたから途中から見てたんすよ!
そしたらどうも三村さんが無双をやった感想を語ってたらしくて、くそ笑った(^q^)
光秀演舞をやったらしいね。本能寺の変は明智光秀が一人で織田信長を闇討ちするイメージがあったんだけど違うんだね、と。
友達がいて友達といくんだよ、と。
それが「ちょうそかべ君」。
あとはえんえん「ちょうそかべ君」の使えなさが語られておりました。
それはもう本能寺の変をプレイした人なら皆が感じるであろう感想ね!
ちょうそかべ君が遅いから置いていったら「慌てるでない」て言われる、とかね! 元親さんそんなこと言わないけどね!
下のテロップに「足をひっぱり続けるちょうそかべ君」て出てたのがまた面白かったです(*^_^*)
「また来たのですか」
「来ると言ったろう」
「見かけによらず律儀ですね。あなたはいつも、約束を守る」
「うぬは見かけによらず約束をすぐに違えるがな」
「どうせ私は嘘と裏切りの名手ですからね」
「そうだな、さすが天下の謀反人だ」
「…それも楽なものではありませんよ。裏切る前には、まず、信頼を勝ち得なければならないのですから。あなたなんか誰にも信用されないでしょう」
「その通りだ。ゆえに我が人を裏切ることはない。楽なものだ」
「でも、それではつまらないのではないですか」
「何がだ」
「裏切らせてあげますよ」
「ほう」
「私は、あなたが未来永劫私を一途に愛しぬいてくれると、信じます。…どうです、これでいつでも私を裏切れますよ」
「…」
「私は恨んだりはいたしませんから、ご自由にどうぞ」
「…いつ裏切ってやろうかと思案するのも、面白そうだ。当分楽しませてもらおう」
「その『当分』が、永遠だと信じていますよ」