髪を切った。
それを束ねて下駄箱にしまった。
翌朝、それは奇怪な生き物になっていた。
うぞうぞとうごめく黒い塊。
私はそれに名前をつけた。
一番昔から知っている名前にした。
それは短い命だった。
一週間後の朝、下駄箱の隅でバラバラに散らばって死んでいた。
また、髪を切った。
以前よりも長めに切った。
それを束ねて冷蔵庫にしまった。
しかし、夜が明ける前にそれは消えていた。
探したけれど、家の中にはなかった。
青黒い空の下を、裸足で歩く。
きっと、既にあの髪束は別のものになっているのだろう。
奇怪な生き物に。
もうこの街にはいないかもしれない。
きっと長生きするだろうと思った。
まだ名前をつけていなかったから。
自分を切り取っても、代わりに死んでくれなかった。
だから、明日私は死ぬんだろう。
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洗濯物干してたら雨が降ってきやがった。
こんちくしょう。
ワタシをあなたに繋いでみせて。
彼女は妖しくそう言った。
指を絡めても容易く解ける。
抱き寄せてもふらりと擦り抜ける。
言葉を投げても、彼女は薄く笑うだけ。
そうしている内に、彼女を失う恐怖に襲われるようになった。
明日目が覚めたら。
振り向いたら。
瞬きの間にも。
彼女は跡形もなく消えているかもしれない。そうしたら、どうしよう。
彼女に手があるから、扉を開けてしまうのだと気付いた。
彼女に脚があるから、何処かへ行ってしまうのだと気付いた。
手が無ければ。脚が無ければ。
彼女を繋ぎ止めておけるだろうか。
彼女にそう伝えたら、満足そうに微笑んだ。
(´Д`)(´Д`)(´Д`)(´Д`)
久々にアルコール摂取。
眠いっす。
もう寝る。