四月 3と4の間の小ネタ。
「ところで、君はどうして武器を持っているんだ?」
「えーっと、使ってたから?」
「このご時世に、か?」
詰め寄ってくる美鶴にどうしようかな、と考える。
岳羽って子が持ってた弓や明彦が持っているグローブとは違い片手剣は入手困難だろう。
うーん、と考えて。
「乙女の秘密だよ!」
「……考えた末にそうくるのか……」
明彦がぽつ、と呟いた。
※夢幻泡影の女主。せくはら
「みーつーる!」
「ん?どうした?命」
「ハグしよー!」
ハグ?きょとん。と首をかしげた美鶴にうん、と頷いてそのまま後ろから抱き付いてみた。
美鶴は一瞬慌てた後でくすり、と笑みを浮かべていて。拒絶されてないぜー。と呟いて私も笑う。
「美鶴の身体さわり心地いーなあ」
「なっ、どういう意味だ命。ちょ、やめ」
てい、とあちこち触りだしたら美鶴の顔が真っ赤になった。もっと触ってやろう。
「何かこう、懐いてるって感じっすね。仲間当初に比べてー」
「最初に比べたらな。壁もなくなった気がする」
「……命せんぱーい。セクハラは駄目ですよー」
※この手で護るものの沙織
「京子ー」
むぎゅ、と背後から抱きつけばへ?と不思議そうな顔をした京子が顔を上げて俺を見つめてきた。
「どうかしたの?」
「意地悪……かなんかかな」
「変な沙織?」
でも嫌がる様子なく俺を振り払わない京子によしよし、と頭を撫でてひっついたままにする。京子は昔からこういうの拒否しないから嬉しい。何よりあの暑苦しい兄貴が居ても可愛らしいっていうのが美味しい。
この光景持田にでも見せてにやにやしてやろうかな、とか思って携帯を出そうとすれば視界にひょん、と重量に逆らった髪が一瞬だけ移った。
綱吉少年だ。にやり、と笑って俺は一回京子から離れてもう一回引っ付いてみた。
「先輩ずるい……っ俺も京子ちゃんと……いいなあ……てか京子ちゃん先輩のこと好きなのかなー……うわー美男美女だ……」
多分綱吉少年はそのぼやきが俺に聞こえてる事を知らない。