黒い影を見つめていた
それは僕の宝箱を覗いている
洒落た物などない陳腐な記憶は
錆となり宝箱に棲みついた
やがて影は欲を見せた
交わり愛し合いたいと言う
汚い欲望が渦巻くにつれて
影の闇は底なし沼だ
いつしか川が流れていた
底なし沼が綺麗になるかもしれないと
梟や栗鼠は言っていたけど
影は影のままだった
寂しがり屋の影は金魚の糞だ
人間に成り下がりたいのだと言った
笑えぬジョークを殺した
影は笑っていた
僕の自我をナイフで刺しながら