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『道化師』

悲しみの道化師は笑って僕に問う
「果たして君はこれを愛と呼ぶのか」と
口を閉ざす僕を見つめ
楽しそうなショーを演じている君を
カッターナイフで刺した

これはまるで仮想の世界の出来事で
僕など所詮一個人の愛されたがりだから
「好きだよ」と手首の傷に囁くの

道化師のような君の物語と
愛されたがりの僕の物語は
きっと一緒になる事は無い
君の言葉はまるで反響せずに
土葬されているのだから

愛されたがりの僕を君は「好きだよ」と
言ってくれたけれど
僕の何処を好きなのだろう、なんて
道化師の言葉に惑わされながら
ハートの大怪我を隠しながら僕も笑う
君とのショーを道化に演じる

暗闇に飲まれながら愛されたい
君の道化を暴いてやりたい
例えそれが、死を招いたとしても

行き場の無い感情

名前の無い本棚を見つめて
名前のある感情が芽生えても
しまう場所が無いの

行き場の無い感情は
垂れ流された下水道に溜まり
腐敗していたけれど
爆薬でそれを壊していた

これは人類が生まれたあの日に
あり得る事だとしたら
ダイナマイトで全てを真っ白に
無かった事には出来ないだろうか

産まれるずっとずっと前に
全てをひっくり返して
さようなら、と囁くの

お人形

お人形は笑っている
月に釣られて笑っている
私は君に告白をする
君は変わらず笑っている
悲しい好きは反響して
心をナイフで刺していて
ニヒルな口元から見えるのは
変わらない現実と無意味な現状維持
逆らわずに釣られてきたお人形
抱き締めてあげたくてそっと
抱き上げてみたのに
お人形は無いの、いないの
世界で1人しかいないから
赤い手首を見ながらそっと悪態をついた

princess

同列していたあの城に
靴も履かずに乗り込めば
一晩で雑巾は高価なブランド品よ
黒い太陽が輝きながら

魔法が使えるなんて嘘をつかずに
素直に見つめたらいいのよ
濡れた瞳が見つめるのは
ランジェリーを脱ぎ捨てたお姫様

影の闇

黒い影を見つめていた
それは僕の宝箱を覗いている
洒落た物などない陳腐な記憶は
錆となり宝箱に棲みついた
やがて影は欲を見せた
交わり愛し合いたいと言う
汚い欲望が渦巻くにつれて
影の闇は底なし沼だ
いつしか川が流れていた
底なし沼が綺麗になるかもしれないと
梟や栗鼠は言っていたけど
影は影のままだった
寂しがり屋の影は金魚の糞だ
人間に成り下がりたいのだと言った
笑えぬジョークを殺した
影は笑っていた
僕の自我をナイフで刺しながら
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