こんな物語がある。
――癒しの天使は、消えてしまった
「在るべき処へ、還っただけさ」
「それは何処なんだろうな」
「さぁ…何処でもない場所だろうよ」
「長い眠りに就いただけだよ」
「見渡してみなよ。不在でも、支障ないじゃないか」
「不平等で、醜くて、穢れてて……でも、空だけは綺麗だ」
「それだけが真実だ」
「なんら変わりない。通常通りの世界だ」
「……そうだね」
眠る天使には、聞こえない
――――これは、いつか過去の『物語』……
私に向けられる悪意はそれ以上の悪意で返す
だけど、有紀に向けられる悪意なら、私は受け止める
いくらでも受け止めるよ
だから分けてくれよ
2才お姉ちゃんなんだから、“弟”護るのは当たり前だろ?
晴れた空に、シャボン玉がキレイで、眩しくて泪が零れた
14年。35才だよ、私。
成人前のまだまだ未熟な心身で、それでも力強く、私たちを護ろう救おうとしてくれた、強い君
今日の花は桔梗
花言葉は変わらぬ愛
“弟”として、変わらずあいしてるよ
おやすみ
また夜にシャボン玉翔ばすね……