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通販報告(受理)


通販状況についてのお知らせです。

1月26日までの申し込みについてはすべて受理いたしました。
振込み先を明記したご注文確認メールを送りましたので、よろしくお願いします。


…ただですよ。ただ、凄く不穏な話しを耳にしまして。
私が使っているサブアドさんの調子が悪いとか何とか。
しかも遅延が発生し始めたのはここ数日という、ね。
タイミングが悪いにもほどがある…!

滅多にない事らしいのでアドは変えずこのままいこうと思っているのですが、
遅延したものの中には行方不明になってしまう場合もあるという情報がちらほら。
うーん、それは困る。すごく困る。
しかし一日遅れくらいの遅延で届いたという方もいらっしゃるようなので、
事故にあったと判断する基準を定めるのも難しい。

通販の申し込みをして下さった方の中で、確認メールがまだ届いてないよ!
という方がいらっしゃいましたら2日ほどは、様子見の期間としてお待ち下さい。
3日経っても届かない場合は事故の可能性大と考えまして、個別に対応させていただきます。
ご報告は拍手や"一読"にあるサイトのメール機能などをご利用下さいませ。

お手数おかけする事になりますが、申し訳ありません。

小話:かくれんぼ


峯→←桐
雰囲気だけ



――――――――――




君と僕とでかくれんぼ

何時になっても終わりません

君は知らない僕の名前

教えてなんてやらないよ
(早くはやく見つけてよ!)

後ろの正面、僕は君







瞬きをして意識を取り戻せば、視界には一人の男がいた。湯気の立つコーヒーカップを片手に数枚の書類へ瞳を落としている。何て事はない姿だ、しかしその光景を切り取れば一枚の絵画になるだろうと峯は思った。
深い意味などなく、思った。

午後の会長室は窓から暖かな太陽の明かりを取り込んでおり、視覚的にとても穏やかだ。ちらと視線を横にずらせば山となっている書類たちが見えるものの、それらを処理すべき人物がいないので紙の束は一枚も動かされる事なく沈黙している。
堂島大吾は急な会合に向かうため数十分前に、ここを出た。
彼と入れ違うようにやって来たのが元四代目である桐生一馬で、沖縄の養護施設を経営する彼は真島吾朗の呼び出しに応じて東京まで来たのだと苦笑していた。
ご苦労な事である。

峯は取り留めもない思考を浮かばせながら手元のパソコンに指先を走らせ、タン、と軽快な音を二人きりの室内に響かせた。
狂犬の二つ名を持つ真島は、そういえば桐生の隣にいる事が多い。気まぐれで自由人な彼は建設会社を立ち上げ一度は東城会を離れた身だが、ふらりと戻って来てからは退屈そうにしながらもずっと幹部として働いていると大吾が言っていた。
自身の生きる場所も簡単に変えられる器用な真島だが、桐生から離れた試しはないのだろう。峯は古参の幹部や組員連中の話しを聞いてその事に気づいた。事件の中心にはいつでも桐生がいる。そして真島の影も側にある。
彼らの関係は何と表現出来るのだろう。盃を交わした兄弟ほど密接ではなく、血で繋がった兄弟よりも信頼し合っている二人は…親友というより恋人、熟年夫婦といったところか?
そう考えたとたん、頭の一部がチリッと焼けた。眉間を揉んで疲れているのだろうかとパソコンの画面を見遣れば、aの文字が何段にも渡り入力されていた。ごまかしようのないミスだ。いつの間にか押しっ放しにしていたらしい左手をキーボードから離せば羅列は止まり、らしくない失敗だと溜め息を吐き彼はそのすべてをデリートした。

気分が乗らないと電源を落とせば、自然と桐生に目がいった。大吾を訪ねて来た彼は不在だと知ってからもここに居続けている。いつ戻るかも解らないのだと始めに説明したが、浅く頷いてすぐソファーに腰を下ろしてしまった。帰るそぶりなど小指の先ほどにも見せずに。
仕方ないとコーヒーを出せば瞳を瞬かせて驚かれたが、あれは心外だった。思い出して苦く笑う。無愛想な自覚はあるが、四代目に茶を出す気遣いもない男だと思われていたなんて。

つらつら実りのない事を考えていると書類がテーブルへ戻された。文字から離れた双眸は迷いなく両眼へ峯を捉える。特別鋭さを帯びている訳でもないのだが、桐生の眼はいつも澄んでいて力強い光を奥の方へ内包している。視線がぶつかれば、もう逸らせない。
いくばくかの距離を間に互いが互いを見つめるとコーヒーカップを持っていた手が、黒色の波を抱えているその陶器を書類の隣へ置いた。
両手を空けた彼は次に手招きをした。言うまでもないが、峯を呼んでいるのだ。けれどこびっくりして顎を引いた峯は周囲へ顔をめぐらせ、誰もいないと再認識して困りましたといった風に俯き瞳を伏せる。

「峯」

そんな些細な抵抗も、一言で崩されてしまうのだが。
変わらず瞳は伏せたまま、しかし峯は誘われるように立ち上がるとソファーへ歩みを進めた。絨毯に足音が吸収されれば聞こえるのは衣擦れのみ。桐生の前で静かに止まると先程よりも確実に近い位置で視線が重なる。
手を、伸ばしてしまったのは衝動で、年齢によって刻まれた目元のしわを親指で撫でると桐生は目を閉じ微笑した。

「お前はいつも、そんな顔で俺を見るよな」

そんな、とはどんなだろう。
自分の顔など鏡でもないと解らない。解らないから何も言えず峯は指先を動かした。眦、頬と順番に辿っていくと自然に唇へ意識が向く。薄くも厚くもない、柔らかそうなそれ。
軽く押し潰すように口端から口端までなぞると、その指に桐生の歯が立てられた。甘噛みされたと思えば舌が僅かな歯型を舐め、そのまま口腔へ人差し指を招き入れる。
唾液を含んだ舌に、温かな口腔に吸い付かれると体中の血が沸騰したかのような体温上昇にみまわれ、峯は緩やかな目眩に吐息を零した。
ひどく、淫らな事をされている気分だ。
否、したい気分だと言った方が正しいだろう。
互いに同じ性を持った生き物だと言うのに、どうしてこんなにも欲情してしまうのだろう。

「どうして…、」

疑問は熱い囁きにしかならなかった。半端に途切れ宙に浮く。すると指を舌から解放させた桐生が唾液で濡れる唇を舐めて上目遣いに峯を見上げた。

「どうしてだろうな」

何てつれない言葉。
とも責められず、上体を屈めた彼は桐生へ触れるだけの口づけを贈った。





END

小話:東城会内部事情Case.会長


大桐+真

大吾が残念
苦労性な兄さん
桐生さんの懐の深さは
日本一


――――――――――



「なぁ、真島さん。手錠と縄…どっちの方が良いんですかね?」

「……は?」

会長室まで書類を届けに来た真島吾朗は、開口一番に投げられた言葉へ疑問符で答えた。
今は六代目である堂島大吾以外の人間は全員出払っている。なら質問してきたのは間違いなく彼なのだが、内容がいかんせん突飛過ぎた。手錠と縄が何だって?

「大吾ちゃん、わし耳が遠くなったみたいや。手錠とか聞こえたんやけど本当は何て言うたん?」

「合ってますよ叔父貴、耳は正常です。安心して下さい」

「喜びと不安が入り混じったこの気持ちお前にも味わってもらいたいわ…」額に手を当て眉間にしわを寄せる。「…あー、で、何や?」

「手錠と縄とどっちが良いて?そう聞いたんか」

「はい」

躊躇いなく肯定する大吾の表情は真剣だ。仕事の出来る男の顔と言えるが、今彼が口にしている問題は確実にプライベートなものだろう。
たまに仕事を片付けて真面目に届けたりするとこれだ。勘弁してくれと胸中でうめく真島はしかし、頼れる幹部として大吾の話しを聞いてやる事にした。

会長椅子に座る彼と書類置き場になっているテーブルを挟んで向かい合う。僅かなスペースに腰を下ろすとこれから始まるであろう不毛な会話を予想して煙草に火をつけた。
自由な振る舞いに大吾は眉を寄せたが付き合わせている自覚はあるようで、手を組み合わせテーブルに両肘つくと詳しい話しを始める。

「縛るのにですね、手錠と縄とどちらが良いか悩んでまして。手錠の方が簡単で外れてしまう危険性はないのですが、金属だと手首を酷く傷つけてしまうじゃないですか。それは嫌なんです」

「…ほう」

「縄は手間がかかり外れる可能性もあるのですが、しっかり縛る分手錠より傷はつかないと思うんです。まぁ強く暴れたりすれば擦れて赤くなったりするんでしょうけど」

「…ほう」

「真島さんはどちらを好んで使ってますか?」

「…せやなぁ」

と言いつつ、真島は深く紫煙を吐き出した。どこから突っ込めば良いのかそれすら解らない。大吾はいつの間に自身すら及ばない大人の階段を上ってしまったのだろうと遠い目をしたが、手近な場所にあった灰皿を引き寄せ灰を落とすと会話を続けた。

「あんな、大吾。色々聞きたい事があるんやけど…何でその話題をわしに振ったん?」

問われると、大吾は瞳を瞬かせて当たり前のように言い切った。

「何でって、真島の叔父貴はアブノーマルが服を着ているような人じゃないですか。この手の話しはお得意でしょう?」

「お前が六代目やなかったら根性焼きしとったわ」

彼の自分に対する認識が今、はっきり解った。真島は事務所に帰りしだい南を殴ってやろうと決めて煙草を咥えた。

「ほんなら、その手錠やら縄やらは誰に使う気なんや」

「桐生さんですよもちろん」

真島は煙草を灰皿に押し付け肩を震わせた。「もちろんの意味を辞書で調べとうなったわ…っ」

「なんっで桐生ちゃんなんや!おいどういう事や大吾」

「え…。俺と桐生さんが付き合ってる事、真島さん知ってますよね?」

「知っとるわ、認めてはおらんけどな」

「だから桐生さんなんです。セックスの時に趣向を凝らそうと思いまして、手錠か縄を使おうと。拘束プレイってスタンダードですから」

「アブノーマルの中のスタンダードやって気づいてくれ頼むから…!」

見た目がまともな奴ほど性癖は危ないと、昔に聞いた嶋野の台詞を思い出し真島は天井を仰いだ。親父は正しかったのだ、その証拠がここにいる。
どこから考えの軌道修正に取り組むべきか悩む真島だが、そんな苦悩になどまるで気づかない大吾はやや身を乗り出して狂犬を見上げた。

「真島さん、手錠と縄。どっちですか?」

「どっちも却下やドアホ!わしの桐生ちゃんになんちゅう事する気なんや!手錠やなんて…っ体位とか催淫剤とかで我慢せぇや!」

「そちらも済ませたから拘束なんです」

「六代目ほんま恐ろしい奴や…あの父にしてこの息子ありやな…っ」

駄目だもうついていけない。両肩を抱いて身を震わせた真島はテーブルを下りて帰ろうとしたが、タイミング良く現れた男がいた。

「大吾、元風間組の事で話しが…」

「桐生ちゃああああん!!」

「え、兄さん?」

何度となく名前の出た、ある意味で話題の中心人物。桐生一馬は会長室に真島がいるとは露とも思っていなかったらしく、目を白黒させて抱き着いてくる半泣きの兄貴分を受け止めた。
恋人である大吾の前だが成人する前からの付き合いである真島を無情に突き放す事など、彼に出来るはずもない。怯える男の背中を撫でて小首を傾げた。

「どうしたんだ?何かあったのか」

「桐生ちゃん、今からでも遅くないで。大吾の変態なんぞ捨ててわしのところにおいで。全力で可愛がったる!」

「変態って…。大吾、何を言ったんだ?」

訝る桐生に聞かれるも大吾は頬杖をつきながらさらりと手錠の話しをした。

「縛るには手錠と縄、どっちが良いのか意見を聞いただけですよ。変態だなんて心外です」

「自覚のないとこが変態なんや!」素早く噛み付き真島は憐れみを湛えた表情で桐生の頬を撫でた。「可哀相になぁ桐生ちゃん、こんな男に捕まってしもて…」

「嫌なら嫌て言うんやで?今なら兄さんがおるんや、言いたい事はビシッと言ってやるんや!」

「言いたい事」

呟き、桐生は大吾を見つめた。しばらく無言で視線だけ重ねると少しだけ顔をしかめ、

「…ネクタイじゃ駄目か?」

と、発言する。
真島が膝から崩れ落ちたのは言うまでもないだろう。
そして大吾が嬉々として食いついたのも説明不用の事実だ。

「ネクタイか。良いですね!長さがあって縛りやすそうですし、傷もつきにくそうだ。さすが桐生さん!」

「喜ぶのは良いが、あんまり兄さんに変な事を言うなよ?見た目は派手でも中身は繊細なんだからな」

「はぁ…解りました」
頭上で交わされる言葉に訂正を入れる気力もわかない。うなだれる真島の側に片膝を桐生は心配そうに顔を覗き込んだ。

「悪いな真島の兄さん、大吾が迷惑をかけて」

「いや、もう…桐生ちゃんの懐の深さに涙出てきたわ…」

「…?」

不思議がる弟分の頭を撫でた真島は、桐生でないと大吾を受け入れる事は出来ないだろうという意味で二人の仲を認めた。



この日の真島組事務所では、組長による問答無用のタイマン勝負が行われ多くの舎弟がぼろ雑巾にされたらしい




END

夜明けの足跡を辿って


皆さま初めまして、管理人の土師(ハジ)です。
テスト投稿を兼ねて報告(Less)の活用方法について少し説明を。

こちらは基本的に通販関係の受理、情報などを載せていく場所となりますので、一般的なブログとして頻繁に更新する予定はありません。生存報告としてふらりと記事を投稿したり、小話をupしたりする事はありますが、活動の主軸はピクシブとなります。ご了承下さい。

小話は気楽に気ままに書いたものを気まぐれに投稿いたします。
中途半端なものや完全なパロディなども自由に載せていく予定ですので、地雷にお気を付け下さい。


それでは一読、ありがとうございました。


――――――――


オフ活動はオンラインと違った楽しさがあるので、ゆっくりでも本を作っていきたいなと思っています。
本文の紙を選んだり遊び紙見たり、フォントにこだわったり行間を考えたり。
こういう作業が好きなんですよね。
そもそも活字中毒並みの小説好きなので、文字を打つ事は呼吸する事と同じみたいな。
物語を作るのも書くのも好きなんです本当に。
ただ一つ。一つだけネックなのは…表紙ですよ…!

オフ本を作る上で最も楽しい作業の内の一つであろう表紙の作成が、苦手です。嫌いじゃないんです苦手なんです。なぜってイラストは守備範囲外だからですよ…っ。
写真などを加工して素敵な表紙を作られている方も大勢いらっしゃいますが、そんな技術もセンスも持ち合わせていない訳で。なら文字だけのシンプルデザインにすれば良いじゃないと言う話しですが、それも寂しいんですよね。せっかく本を出すのなら妥協ダメ絶対!精神です。
もう本当…あの…仕方ねぇな描いてやるよ!という天使は三次元の世界におられますか…?

画力を上げて自分で頑張れ?ごもっともです。


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