▽△ 昔ばなし
なにから話そう。どこから話そう。そもそもどこまで覚えてるだろうか。あの頃は生きるのに必死で、ひたすらに仕事してた。
できるだけ考えないように。
だからだろうか、記憶が曖昧だ。
その日は突然訪れた。(多分…)
「わかれよう」
ゆうさんに告げられた。
わたしは全く心の準備なんてできてなくて、思考回路が止まったんだと思う。
必死に引き止めようと、どうしたらまた好きになってもらえるか考えた。
けどゆうさんの意思は固く、冷たく、引き止めれば引き止めるほどわたしの胸が痛んだ。
そして、時間はかかったけどわたしは別れることを一度受け止めてみることにした。