虚匣

本日職場のビジュアル担当かわいこちゃんが、カッカッカッとクールと出社……
したかと思ったらキレ散らかしておりました。
クールじゃなかった。
手前だったら「どすどすどす！」て効果音がつくやつだった。


「今、本当に腹が立っているんです。めっちゃ腹が立っているんです。殴り飛ばしてやろうかと思ったくらい腹が立っているんです。けんこーさん、聞いてください(真顔)」


はい、よろこんで！(ちょろい)
ことのあらましは以下の通り。





＊




隣町の駅にいたら、明らかに挙動不審なおじさんがいたんです。もう明らかにおかしいんです。
ふらふら行ったり來たりして、かと思ったらめっちゃキョロキョロしたり立ち止まったり。
その人が私をじーっと見て來たんで、めっちゃ睨んだんです。
そしたらすごく慌てて逃げたんですね。
その後、ふ、て見たらエスカレーターに女子高生が１人でいたんです。
と、思ったらさっきのおじさんがすごい速さでスーッてその子の真後ろに張り付いて、持ってた鞄をその子のスカートの下に近付けたんです。
「あ、コイツやりやがったな」て思って。
女の子はイヤホンしてて氣付いて無かったんですけど、私その時点で頭に血が昇っちゃって。
ダーッて走って戻って、エスカレーターかけ上って、そのおっさん追い越して……で、振り向いてめっちゃ睨んだんです。
そこでぶん殴ってやろうと思ったんですけど、それだとこっちが惡くなっちゃうし如何しようって思って。
取り敢え不その女子高生との間に身体入れる勢いで彼女の肩を抱いて
「電車もう來ちゃうから早くいこー♪」
て引き離したんですけど、女子高生はぽかーんだし、おっさんはすごい速さでエスカレーター逆走して走って逃げるし。
もうそれも腹が立って！！ほんとにムカついて氣持ち悪くて！！
取り敢え不女子高生には
「一瞬だったから大丈夫だと思うけど、イヤホンとかしてると氣付かないから氣を付けようね。いや、惡いのは相手なんだけどね」
て話して。
「警察とか行く？」て聞いたらいいって云うから「そうだよね、氣を付けてね」て別れたんですけど、何度思い出してもまじキモチワルイしほんとに腹立つし不幸になれ！！て全力で思ってます！！！！





＊




……いや、よくやったよ、君は。
ほんとにえらいよ。
そんなことしてくれる通りすがり、中々いないよ。
そのおじさんは永らく不幸に成ればいいし、女子高生は氣の毒ですが、閑話休題(ｿﾚﾊｻﾃｵｷ)君の行動と怒りは立派だよ。
おいちゃん感動しちゃったよ。
いいこいいこしてお菓子を贈呈したよね。
めっちゃ褒めたよね。





話題:優しい気持ち









だけどそれを聞いていたおじいちゃん責任者が
「駅員さんに云えば良かったのにー」
「ほら、風貌伝えるとか、何かあるじゃん」
と入って來たので
「それは正しい対応かもしれませんが、今はそう云う話じゃないし、この子の行動は花丸で素晴らしいです。異論は認めん！」
と一喝してしまったよ……。
いやだって、かわいこちゃんだって急ぎの用事があったかもしれないし、女子高生とだって別れてるじゃまいか。
駅員さんに報告するのも大切だけど、彼女はもう十二分頑張ったじゃまいか。
まじデリカシー案件だよ。




そこは少し「黙っとれ」と思いましたが、彼女のような人がいるってことはとても素敵だなと思いました。
「でも女子高生、氣付いて無かった訳じゃないですが……だから云わないほうがいいのかな、とも思ったんですけど……。
心配だし云っちゃったけど、私、如何するのが正解だったんですかね……(´・ω・`)」
とまで氣を遣えるなんて素晴らしいよ。
おいちゃん感動しちゃったよ。
あとでお菓子追加してあげよう……。






彼女は波瑠さん似のスレンダー美人、中身は芸人氣質……を素と計算交えて出來る、正に「小惡魔」タイプです。
その所為か一部女性(と逆に仲のいい男性)には影(時には表)で

「顔だけで生きてる」
「使える男を片っ端からたぶらかして、都合良く使ってる」
「顔がいいから男に助けてもらってばっかで人生舐めてる」
「腹黒い」
「歳取ったらどんだけ惨めな思いをするのか逆に心配」

と、散々な云われよう(最早ネタ)。
でも彼女が好きなので(理由は�@手前には害が無くにこにこしてくれる�A強かなのは寧ろ美点�B氣が強い�C根っこが非常に真っ当�D顔がいい)そんな話を聞かされても

「大丈夫、それ全部引っ括めて彼女の魅力だから！！」
「見た目とポジションを的確に使いこなせるのは寧ろ才能！！」
「うん、でもかわいこちゃんはいい子だよ」
「けんこーさん、そう云う彼女見てないからわかんない！取り敢え不私は好きです！！！」

と云い続けた自分を褒めたい(笑)。
矢張りいいこだよ！！
例え手前の事を内心見下した上で媚びを売っているんだとしても、こんなことが出來る彼女を手前は推し続け隊＼(^o^)／






あとちかんはまじで苦しみの未來をたどれ。
(突然の呪詛。からの終わり)