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    **C r o w n**  だすとぼっくす  白雪 月兎      *+年賀状企画+*

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    2017年 年賀状企画のお知らせ☆(*>∀<*)


    こんばんはですv
    サイトに(こちらにも)年賀状企画ページ設置して参加者様の募集開始しました*よろしくお願いしますm(_ _)m


    絵柄はオリジナルの1種類のみです。
    今回もフルデジタル〜*
    2017年の年賀状企画では、寒中お見舞いも受け付けています!

    ◆年賀状(ハガキ)
    ◆寒中お見舞い(ハガキ  1月末頃お届けします ※主に喪中の方。 定員は3名様まで。 絵柄は年賀状と同じです)
    2つから、お届けの方法を選べます*


    前回の同企画と同じで、企画参加者様と不参加者様との差を作るために二つのパターンを作ります。パターンは、今回の企画で使用する郵送版(メインキャラと背景のフルパーツ版)と、同じ絵で変更を加えたサイト掲載版(背景装飾などを抜いたシンプル版)の二つです。
    郵送版をHPで公開する予定はないので(アップ版の公開もありません)、郵送版のイラストが見られるのは企画参加者様のみになります。郵送版が見たい方は是非是非参加して下さいね!(*´∀`*)

    桜前線



    悪戯は一休み。さあ、春の花でも愛でようじゃないですか。


    桜前線北上中

    影うつし ※流血画像・文章注意


    雪を、ぎゅっと握る。

    体全体を走る温度に、じんと痛く凍(こご)える指先。
    徐々に赤く、痛みもよりいっそう増していく。その感覚で、姉さんを腕に抱いた刹那(せつな)が思い起こされた。


    凍(こお)りつくように肌は冷たくて、でも心臓は温かくて赤く赤くなっていく僕。
    指先に絡(から)む太い管(くだ)が破れて、華麗な赤いものが滴(したた)って姉さんに染まる。悲しいけれど、世界で一番大好きな姉の色になっていくのが嬉しくて、胸が熱く震えた。

    口に含んだ姉さんの味は、涙が出るほど優しかった。

    これで僕らはやっと、二人の、二人だけの世界を手に出来たような気がした。


    でも、姉さん、今は大好きな貴女(あなた)の姿が見えなくて、声が聞こえなくて、心が寒くて仕方がないんだよ。だから、時々でいい、時々でいいから、僕の側に寄り添って、囁(ささや)いて、触れて、貴女の温度を感じさせてほしいんだ。そしたら、寂しくないと思うんだ。




    僕は、この世界で一番、貴女を愛してる。

    続きを読む

    女王様の小庭

    じょうおうさまの こにわ


    -女王様と庭師のお話-



    “いつか、砂糖漬けのようになってしまうわ”
    それが女王様の一番の口癖でした。

    その言葉の中には、甘いものを口に入れた時に似た、何とも言えないうっとりとした恍惚(こうこつ)があるのです。
    女王様は素敵な庭を持っていたのが自慢でしたので、きっと、そんな気持ちも入った言葉だったのでしょう。


    花や葉が気だるげに風に揺れて香っています。
    女王様の自慢の小庭には、不思議な花が植えられていました。
    空の光の色をちりばめて、乳白色に透ける名のまだない花でした。そしてもう一つ、女王様が愛する淡いピンク色のサクラという花の木が植わっていました。

    レースの白い日傘を差して、女王様が庭を散歩なさっていると、小さな可愛らしい毛虫を見付けました。
    毛虫は葉の上を這(は)って、美味しそうに口に葉を頬張(ほおば)ります。
    「可哀想(かわいそう)に。こんなに硬(かた)い葉を食べなくてもいいのに」
    女王様はそうおっしゃると悲しい顔をなさったのです。
    名のない花の丸い葉は、木の皮のようにとても硬いことを女王様は知っていたのでした。
    傍(かたわ)らに居た、まだ年の若い白髪の庭師は言いました。
    「女王様、彼らは硬い葉を食(は)んで強くなるのですよ。だから、たくましく美しい蝶になれるのです」
    女王様は蝶を思い浮かべてみました。庭師の言う通り、確かにたくましく美しいと思ったのです。
    「そうだったのですね」
    澄んだ瞳でいとおしく毛虫を見つめました。
    「蝶々になったらまた会いましょう。きっと立派な羽を見せて下さいな」
    女王様は毛虫に挨拶(あいさつ)をして、また小庭を散歩し始めました。


    しばらく歩きますと、女王様は足を止めました。女王様の瞳が見つめる先には、すっかりしぼんだ、着古したフリルのドレスのような名のない花があります。
    「可哀想に。日の光に焼かれてしまったのでしょうか?」
    悲しそうな顔をなさって女王様はおっしゃいました。
    「女王様、そんな顔をなさらないで。これでいいのですよ」
    庭師は優しくそう言うと、枯れた花にハサミを入れました。チョキンと音がすると、しおれた花弁の付いたぷっくりと膨れたものが、庭師の手の平に収まりました。
    「こうやって終わって始まっていくのですよ。この膨れたところには、種が詰まっているのです」
    開いてみせると、確かに真珠のような綺麗な丸い種がたくさん入っていました。
    「まあ、本当ですね」
    「この花とは全く同じではないけれど、この花に良く似た花が咲くのですよ。その花には、また新しい魅力があるのです。女王様もきっとお気に召(め)すことでしょう」
    「ええ、きっと。この花の種を下さった、ミシェルさんにも差し上げましょう」
    女王様は胸に手を当てて優しく頬をゆるめました。
    「そう致しましょう。お喜びになると思いますよ」


    女王様は、小庭の一番奥にあるサクラの木のところまでやってきました。
    はらはらと、花びらが薄い絹(きぬ)の欠片(かけら)のように舞っています。
    「何とも可憐(かれん)な姿。この花が咲くのは、どのようなところなのでしょうか?」
    女王様は、大きなサクラの木を見上げておっしゃいました。
    「サクラの咲くところはとても美しい国ですよ。幾度(いくど)も困難を乗り越えた、強くて心温かくて美しい国です」
    同じようにサクラの木を見上げて、庭師はそう答えました。
    「素敵なところなのですね。いつか行ってみたいわ」
    女王様は口元に合わせた手の平を寄せて、綺麗な瞳を優しく細めます。
    「女王様、その時は私がお供致します」
    言って、庭師はうやうやしくお辞儀しました。
    「ええ、もちろん、そうして下さいな。とてもとても、楽しみだわ」
    甘い甘いお菓子でも口に含んだように、女王様はうっとりとなさって、まだ見ぬ遠い国を思ったのでした。
    花ほころぶ今頃、国も、国に住む人の心も、春の温もりに満たされていることでしょう、そう思い願ったのでした。

    今もまだ、君思う


    貴方はとても優しい。
    心の内を知っていても知らぬふりをして、私を責めたりなどしない。

    そんな貴方に私は甘えている。

    貴方を思いながらも、私は、まだあの人が忘れられないの。
    あの人の影が消えないのです。

    私にとって、貴方の優しさはとても嬉しくて、
    痛い。


    あの人を貫いた冷たい刃(やいば)のように、貴方の穏やかな温もりは、私の胸を知らぬ間に苦しくさせる。
    それでも私は、貴方と離れずに笑顔を向けて、心の内のどこかでは、まだあの人のことを恋しく思っているのです。

    傷付けているのは貴方ではなくて、自分勝手な私。一番愚(おろ)かで残酷なのは、この私ですね。
    そんな私を、憎(にく)むほど嫌いになってしまっても良いのに。
    貴方は突き放すことなく、私を愛してくれた。それが、とてもとても嬉しかった。

    だから、少しでもあの人の面影が消えるように、貴方をもっとお慕(した)いしたく思います。私の心が貴方で満ち満ちるまで。


    かつて胸の奥に生まれたこの淡い香りが、消える日は来るのかしら?

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