「お兄ちゃんプルフ頂戴。」
竜の門から元の世界に戻ると魔女姿のカナは手をシノノメに差し出した。
「おう今出すぜ。えっとあったパラレルプルフだ。」
親には竜の門のことを教えていない。昼間は兄弟妹が遊ぶに行ったと嘘をついて竜の門に行く。
竜の門から出たところを魔女から聖天馬武者にクラスチェンジができるようにシノノメはパラレルプルフを隠し持っている。
「ほらよパラレルプルフだ。」
カナがパラレルプルフを受け取ろうとした次の瞬間。
「あっ。」
「なっ。」
パラレルプルフがカナに渡す手前で急に消えたのだ。慌てて辺りを見渡すと忍の姿をした見えない敵が前に走っていた。
忍の手に
「あいつパラレルプルフを!」
「返して!」
カナは浮いた状態で忍を追いかけて行った。
「マークス。マクベスから聞いているぞ。裏切り者の城塞で赤ん坊を育ってているそうだな。」
「はい。父上。」
すぅすぅ寝息をたてるジークベルトを抱き抱えながらマークスは答えた。
「その子の親は探したのか?」
「探しました。ただ北の城塞に雇われていた使用人も警備員もジークベルトのことを知らないと。」
「マークス様のお子ではないのですか?てっきりマークス様がカムイ王女を孕ませたのだと。」
「根拠のないことを並べるなマクベス。」
その話が本当ならカムイが白夜王国に寝返ることにとくになっていないと心のなかで毒づいた。
「マークス」
「はい。」
「わしに赤ん坊を抱かせろ。」
へっ?顔に出そうになることを必死に抑えた。ガロンが拍子抜けのことを言うからだ。
「玉座まで赤ん坊を連れて行け。」
「では失礼します。」
父の近くに来るまでマークスは冷や汗をかいていた。ジークベルドは眠っていた。
三段に登るとガロンは立ち上がった。高齢であるもののまっすぐな背筋。国王としての威厳も残してある父王の雰囲気をマークスはひしひし感じていた。
「ジークベルドお祖父様だ」
そぅーとガロンの腕にジークベルドを渡した。
「赤ん坊の頃のパパにそっくりな顔していまちゅね。」
「!?」
「マークス。少し後ろに下がれ孫の顔に影がかかって見えぬ。はやく下がれ」
ガロンがジークベルドに赤ちゃん言葉を言ったことに驚ろいていると睨まれた。
今ガロンが「パパにそっくりでちゅね」と言ったよな。「パパ」って誰のこと?
続く。
「いっらしゃーいませ。シノノメ様と双子のカンナ様。」
「アンナ早速「恐怖の霊山」への扉を開いてくれ。」
シノノメが竜の門の通行のパスポートを買うとアンナに竜の門を開かせた。
恐怖の霊山。
「シノノメ怖いよ。うゎぁ!火の玉が!」
「カンナは怖がりだな。おっ早速倒しがいのあるお化け見ーけ。カンナ怖いなら俺の腕に掴まってろ。」
弟がシノノメの手を握りしめた。すぅーと前にカナが出る
「うわぁぁ!ってカナ魔女に戻っていたの?」
「うん。お父さんの目の届かないところでだけだよ。あっお父さんとお母さんには内緒ね。さぁ行くよ。」
カナはすぅーと化け物の近くへ浮遊していた。
「うぅー怖いよ。暗いしじめじめしているし。」
「おっカナ嬉しいそうだな。よーし俺も‥‥ってカンナ動きづらいぜ。怖いならここにいな。」
「うぅー。シノノメの意地悪。僕も行くよ。強い子になるんだー。」
カンナが竜に変身すると一目散に化け物に体当たりしてきた。
魔法とワープで化け物を翻弄するカナ。竜になったりシノノメの傷を回復してくれるカンナ。シノノメは槍で霊山にいる化け物を粉砕していた。
竜の門は色々ありだ。霊山で強くなるだけでなく。お金が足りない時には便利な所へも行ける。
寝ずの番をして神殿の埋蔵金を持ち逃げする見えない敵を退治をして埋蔵金を奪い返す。最後に(強面なかおをした双子)神殿の住人から神殿の埋蔵金を謝礼金としてもらえる。
ある時は異界にいる英雄と戦っては異界にしかないプルフを勝利の証としてもらったり。
武器争奪戦は強さを求めるシノノメに大いなる喜びを二つも得た。新しい武器が欲しい時。暗夜王国の武器を手に持って試したい時。双子の弟妹のチームプレイを頭領クラスを倒しながら武器を奪い取った。
「ハハハ!大量ー!大量ー!カンナ、カナ山分けするぞ!」
「僕はこれとこれで。」
「あっこれ可愛い私花束もらーい。」
「おっサンダソードもあるぞ。暗夜しかない武器は面白いな。奥義!」
ばちんっ!。雷が岩に当たるとコロッと石ころが落ちた。
「弱ぇな。」
「シノノメ剣を強くする職業にならないの?」
「俺はならないぞ。剣はカンナがいいだろう。」
「シノノメお兄ちゃんは追い詰められでば強くなるし。カナが援護して。怪我にはカンナが傷を治せばいいよ。」
「サンダソードはカンナが使っていいぞ。これなら遠い所へ攻撃できるぜ。」
サンダソードを弟に渡した。
続く。
「お父さん見て見て。私魔女になったよ。」
カナはそういってくるりと回る。一瞬でカナの姿は消えた。
「ばぁぁ。」
「うぉぉ!」
リョウマの背後にワープするとカナは大きな声を出した。
「便利な能力だな。お父さん後ろの不意打ちに弱いぞ。」
「えへへ。お父さんごめんね。」
カナは宙に浮きながら生足を伸ばして謝った。スリットの中を見せないようにランプはふよふよ浮いていた。
「伝令ー。リョウマ様。」
リョウマとカナは賊の討伐に参加した。
「カナはたくさん活躍したよ。傷ついた人を安全な所へ運んだり。援護したり。討伐が終わった後お父さんがカナに「魔女をやめてお父さんと同じになれ」と言い寄られたの。」
半べそかきながらカナがシノノメに話した。ワープを使いこなしてたくさん頑張った妹の光景が浮かんでくる。
「カナどうして聖天馬武者になっている?彼氏でも出来たのか?」
「違うよ!カナはお父さんと同じクラスチェンジしたもの!でもプルフの調子が悪かったのか剣聖にならないで聖天馬武者になっちゃったの。」
「カナはそのまま聖天馬武者で頑張るのか。」
「いやだ。」
「剣聖」
「いやだ。」
「白の血族」
「いやだ。」
「カナが続けたいクラスになればいいだろう。」
「でもクラスチェンジしたことお父さんに知られちゃう。」
「父さんの目の届けない位置でクラスチェンジすればいいだろう。そうすればカにプルフをあげれるぜ。」
「お父さんの目の届かないところでそんな場所あったけ。」
「あるぜアンナのいる竜の門にな。」
シノノメはビラをカナに見せるとシノノメが行きたい異界のことを話した。
今年はわが家でひな寿司で🎎ひな祭りです。
春の七草のおひたしとひな寿司を美味しくいただきました(*´∀`)♪