朝の占いで一位だったと浮かれていると、コーヒーで舌を火傷するし、人身事故で遅れるし、数学でいきなり指されるし、普通どころか悪い一日の気がした。一位は一位でもワースト1だったか。


ガラ、と音を立てて引き戸をひいた。


この瞬間俺は占いで一位の意味を理解した。



午後5時。何も無く今日一日が終わろうとしている。予備校は倫理だからさぼろうと自習室に向かった。もちろん内容は睡眠学習だが。
そう、この自習室の扉を開くまではそのつもりだった。


扉からは遠いけれど誰がいるかははっきりとわかる、そんな席に彼女はいた。
座っていた、といえば座っていたのだが、彼女は眠っていた。


彼女は一昨年、そう、入学したばかりの頃席が隣だった。高校にもなれば普通男女仲良く机をつけないと思うが、うちの学校は三年間そうだった。だからといって隣の子と話すこともない。名簿順で英と綱川で一応近かった彼女とは大体一ヶ月一緒だった。





半端ですが続きます