話題:いままで と これから。

日々のなかに風俗が現れる。彼がおまえのそういうところが嫌なんだよと怒鳴るたび、うそまでついて風俗に行ったくせにと喧嘩になる。不毛な争い、これから先なんども起こりえる可能性を孕む言い争い。疲弊しては、先の見えななさに絶望していく。別れたほうがいいのか、様子を見るか、どちらがいいのだろうか。

彼がGPSアプリをインストールすることを提案したのは、風俗のことで喧嘩になり、どうやって行ってないのかを証明するのか?という問いに対してのアンサーだった。ここまでしないといけないのかという葛藤もあったけれど、彼がここまですると言うのはそれなりの覚悟だろうとしばらく様子見で決着。それでも、互いに含みを込めたことばがキリキリと胃を痛めつけ、爆発する。GPSアプリを入れたから、はいおわりとはいかない。それは彼だけの解決でしかなく、あたしはその間ももやもやとしつづける。そんなことを友人にラインで送れば、別れたほうがいいの一点張り。反省も更生もみえない彼に対して、支えてあげるとか一緒に乗り越えるとかは皆無で、それなのにあたしはうじうじと悩みつづけるラインを送ってくる。そんなあたしに彼女は、あなたがいいならわたしはもうなにも言わないと送ってきた。そりゃそうだと突き放されたその文字にわざとらしくげんきに返信し、もうだれにも相談しないほうがいいと悟った。

彼が風俗のことをかるく考える大きな理由は、ほんとうに性処理のためだけに行っただけで、正直に言えば罪悪感などないと。おいしいものをたべたくて、たべられるお店に行ってたべてきただけと説明した。だから、こんなにも乖離していたのだ、この論争は。性処理だろうとおいしいものをたべたかっただけでも、他の女のひととしたことは変わらない。この軽薄さは、GPSアプリを入れたところで行かないなんてことにつながるのだろうか。風俗に行ったことに罪悪感など抱いていなくても、彼女の嫌がることをしたことについてはどうおもうのだろうと問えば、おまえからもされたからと返された。きっとこの論争はずっと平行線。友人にうんざりされてしまうし、自分自身にもうんざりしながらもかんたんに割り切れないこの気持ち。された側にしかわからないこの気持ち、すっぱりできないのは、過ごしてきた日々がまだ色あせていないから。