――ドォンッ
「……わぁお」
「あれ、ときめかないの?」
「え、全然」
「おかしいなぁ、他の奴らから聞いた話だと、女はこういうシチュエーションに弱いんだろ? ほら、壁ドンだかなんだか」
「私の知ってる壁ドンは、こんな壁を破壊しつつ拳をめり込ませるようなバイオレンスな行為じゃない」
「なるほど、平手の方がいいんだネ」
「手の形は問題じゃないんだけど」
「そぉれ」
――ドゴンッ
「もうやだ」