かいわぶん

「ファットさぁん」
「お、なんや？甘えたさんか？」
「ファットさんのお膝の安定感すこ」
「す、すこ？？？え、なに、若者の言葉についていけへん、なんて？」
「お膝に座りながらファットさんのお腹も堪能出来る……最高の特等席……」
「ファーｯ無視かいな！ええけど！ほんならいつでも貸したるさかい、どーんとファットさんに甘え！」
「わーい！」
「飴ちゃんもやろな！」

切「あの二人仲良いッスね」
環「……帰りたい……」

「なんや最近疲れた顔しとるなぁ。大丈夫？ お腹揉む？」
「お腹揉む……」
「おん、なんやったら乗っかってもええで！」
「乗っかる……」
「ほれほれ、癒しのファットさんとは俺の事やで」
「ふかふかだ……寝れる……」
「ゆっくり休み。根詰め過ぎたらあかんでほんま。ファットさん心配やわぁ」
「はぁ、ファットのお腹ほんと安心する……好き……結婚して……」
「おお！？ なに！？ も、もっかい言うて！？ ねえ！！」
「……」
「ね、寝落ちしとる……」

「勝呂くん、ここ教えて」
「ここは前にも教えたやろ、まずこの公式を……」
「ふむふむ」
「で、こっからまた……」
「ほうほう」
「……ほんまに理解してんねやろな、お前」
「ちっとも」
「ほぉけ、ほぉおけぇ」
「ごめんなさい拳を収めてほしいです勝呂くんこめかみの血管ヤバ」
「もっと真面目に勉強せえ！！ つか、何でいつも俺に聞いてくんねん！！」
「勝呂くんと一緒に居たいからだよ」
「！？ な、なん、」
「これからも勉強教えてね」
「っ、アホか！」

廉「何見せられとるんやろ、俺ら」
子猫「微笑ましい限りですわ」

「轟くーん」
「……おう」
「うわめっちゃ眠そう。寝る？」
「……やだ」
「やだってなんだよ幼児かよ可愛いな」
「勿体ねえだろ……」
「え？」
「折角一緒に居んだから……寝たら勿体ねえ……」
「っっだよこれだからイケメンはよぉ！ じゃあ起きてジェンガでもしよ！！」
「……ぐぅ」
「……うそやん」

――ドォンッ
「……わぁお」
「あれ、ときめかないの？」
「え、全然」
「おかしいなぁ、他の奴らから聞いた話だと、女はこういうシチュエーションに弱いんだろ？ ほら、壁ドンだかなんだか」
「私の知ってる壁ドンは、こんな壁を破壊しつつ拳をめり込ませるようなバイオレンスな行為じゃない」
「なるほど、平手の方がいいんだネ」
「手の形は問題じゃないんだけど」
「そぉれ」
――ドゴンッ
「もうやだ」