話題:創作小説
こんにちは!
パチパチありがとうございます(´∀`)
そして拍手コメントもありがとうございました!
なるべく早めにお返事させて頂きますねd(^-^)
小説はまだまだ続きます。
熱が冷める前に書ききりたいです(^_^;)
ではでは、追記よりどうぞ★(*''*)
どうしたの?とセリアっぽく首を傾げる。
『今日のセリアさま、何だかアリルにいさまみたい。
さっきのお叱りのお言葉なんて、ホントにそっくりで…。ビックリしちゃいました!』
『ー…!!!』
ふふっと、冗談めかして告げるも、言われたのはセリアでは無くアリル本人だ。
動揺して、思わず動きが固まる。
『な、にをバカな…!』
『そうですよね。真剣に怒って下さったセリアさまに対して、本当に…。失礼を致しました』
申し訳なさそうに、ショボンと項垂れるリオンに、何とか元気付けようと『そ、そうよ!この私があんなのに影響される訳が無いもの!ね、リオン?』と口走ってしまった。
言っているのは本人だから、悪気も何も無い。
しかし、端から見れば彼は今、『セリア』だ。
今の暴言に気付いていないのは、哀しいかな本人のみ。
『あんなの…?』
リオンがポツリと溢す。
アリルは、リオンの表情が凍り付いている意図が掴めない。
『?それが、どうしたの?』
『セリア陛下』
それまで、二人のやり取りを黙って見守っていたティニアが、初めて口を開いた。
ー…それも、絶対零度な冷たさで。
『ティニア…??』
ティニアとの付き合いは長く、彼女の知らない事など無いと思っていたが、こんな表情は初めて見る。
顔は穏やかな笑みを称えている。
しかし、何とも言い難い、そう。殺伐としたオーラを感じるのだ。
『セリア陛下は、確かにこの国を治める尊き方。しかし、アリルさまは私にとって将来旦那さまになる御方なのです。尊敬する、あの方を侮辱されて、黙ってはいられません!
今、すぐに全撤回をなさって下さい!』
火神の静かな怒りは、周囲の音すらも燃やし尽くした様で、静寂が広がる。
アリルですら、ティニアの怒りに圧倒され言葉が出なかった。
たっぷりと100を数えた辺りで、小さく息を吐き、アリルを一瞥する(と、言うよりも睨み付けるに近い)と『失礼致します』とだけ言い、踵を返し出ていった。
リオンも、ペコリと一礼すると、慌ててティニアの後を追いかけて行った。
残されたアリルは、侍女に『横になりたいから一人にさせて欲しい』と告げる。
たった一人になり、ゴロンと寝台に横になる。
すると、何故か涙が溢れて止まらなかった。
(なんで…?悲しくもないのに…)
自身の感情では、何故涙が止まらないのか分からない。
暫く考えて、1つの結論に辿り着いた。
(あぁ、これはきっとセリアの魂が哀しんでいるんだ)
セリアにとってもティニアは大切な存在。
そんな彼女の逆鱗にワザとでは無いにせよ、触れてしまった。
それもセリアに濡れ衣を着させる形で、だ。
『あぁ、ぼくは何て事をしでかしたんだ…!』
一刻も早く、元に戻り。
ティニアの誤解を解かねばならない。
そう、固く決意したアリルであった。