がりがりと削られていく意欲。
膨れ上がる反骨精神。反比例。

削られていくのは意欲だけではなく自信すらも、自身すらもで。

自分の作品に足りないものを見付けてしまったあの子は、描けない描けないと泣き喚く。

絵が描けない自分に存在する意味は無い。

そんな強迫観念に抱かれながら、あの子は今日も筆を握れない。
貼り付けた仮面の下には、何を隠しているのだろう。(知っているけれど)

あの子に足りないのは、鬱と狂気だ。