2015/1/16 Fri 17:48
烏の濡羽10

話題:連載創作小説

がうです。
10いきました!
二桁になると長いの書いたなぁ、と実感が出てきます。
まぁ、それでも短いんだろうけど...
以下本文




振りかぶった手はアケに止められていた。
なんというか、気が抜けた。
トクサを解放する。

「ありがとう、アケ」
「いや」
「トクサ、ごめんね」

私は大きく息を吸った。
ゆっくりと吐く。
まずはトクサを落ち着かせた。
トクサも相当混乱している。
繋がらない言葉だったけど、トクサがぽつりぽつりと喋り出す。
私の首飾りをトクサが見ていた事。(風呂を覗いたらしい)
その事を町で話していたら、知らぬ大人に声をかけられた事。
その人に私の家を案内した事。
そうしたら怒声に罵声、しまいには私の家に火を放った事。
怖くなって逃げた事…。

「この石のせい…」

取り出して見るといつもと変わらず色とりどりに輝いている。
この世の悲しみなんて何も知らないみたいに。





つづく
***
そろそろ終盤戦です。
もうしばしお付き合い下さい。


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