突き刺さるはセミの鳴き声5
突き刺さるはセミの鳴き声

部活動を終えて、部室には、俺とマコト、ナナミが残っていた。

「なんとか、チカコのこと、探せないかな…」

言い出したのは、俺だった。

「探すって、どうするの?」
「わかんねぇけど…」

何のプランも無かったけれど、何か出来ることをしたかった。何もしないではいられなかった。

「あの、チカちゃん先輩のケータイ、まだ、生きてますよね。GPSとか、ダメですか…?」

ナナミが小さく言う。俺とマコトは、目を見合わせた。

「「それだ!」」

俺たちは、連れだって警察へ向かった。この街、唯一の交番。

「すみません!」
「慌ててどうしたんだい」
「友人の橘チカコが、昨日から見付からないんです! GPSで、携帯の場所、探せますよね?! 早くしないと、携帯の電源落ちちゃうんです! チカコのこと、探してください!」
「また、行方不明者が出たのか…。よし、本当は、俺一人じゃこんなこと、したらダメだけど、事は急を要するみたいだ」

奥の部屋に通されて、パソコンに向かい、GPSを調べてもらった。

それが指し示した場所は、予想もしなかった場所だった。

半信半疑で、俺たち三人と、警察のお兄さんは、交番を出た。



続 話題:SS


12/07/31  
読了  


-エムブロ-