部活動を終えて、部室には、俺とマコト、ナナミが残っていた。
「なんとか、チカコのこと、探せないかな…」
言い出したのは、俺だった。
「探すって、どうするの?」
「わかんねぇけど…」
何のプランも無かったけれど、何か出来ることをしたかった。何もしないではいられなかった。
「あの、チカちゃん先輩のケータイ、まだ、生きてますよね。GPSとか、ダメですか…?」
ナナミが小さく言う。俺とマコトは、目を見合わせた。
「「それだ!」」
俺たちは、連れだって警察へ向かった。この街、唯一の交番。
「すみません!」
「慌ててどうしたんだい」
「友人の橘チカコが、昨日から見付からないんです! GPSで、携帯の場所、探せますよね?! 早くしないと、携帯の電源落ちちゃうんです! チカコのこと、探してください!」
「また、行方不明者が出たのか…。よし、本当は、俺一人じゃこんなこと、したらダメだけど、事は急を要するみたいだ」
奥の部屋に通されて、パソコンに向かい、GPSを調べてもらった。
それが指し示した場所は、予想もしなかった場所だった。
半信半疑で、俺たち三人と、警察のお兄さんは、交番を出た。
続
話題:SS
12/07/31