人魚姫伝説 act3
人魚姫伝説

帰宅して、とりあえず、制服を洗濯した。夏で良かった、と、思う。冬服だったら、クリーニングしなくては、ならないところだった。

それから、夕飯の準備。

妹がただいまとも言わずに、部屋に戻ったことを、ドアと足音が、教えてくれた。

出来上がった夕飯を二人分、取り分けて並べる。

「梨花、夕飯出来たよ」

返事はなかった。私は、特に何も思わずに、テレビを見ながら、夕飯を食べた。

今頃気付いたが、学校が家みたいになってしまった。

私はこのまま、誰とも会話が無くなるんだろうか。そうなったら。きっと。私がいなくなっても、誰も、何も、思わないんだろう。

胃が痛くなってきて、夕飯を途中でやめた。片付けて、部屋にこもる。入れ替わりで、梨花がキッチンに行く音が聞こえた。

課題をしなくては、と、鞄を開けると、ズタズタの教科書と目が合った。私は、心の中でゴメンと呟いて、教科書を鞄に押し戻した。それから、ベッドに転がる。

学校に行きたくないな、と、はじめて思った。



to be continue...
話題:連載創作小説


12/07/04  
読了  


-エムブロ-