可愛い奴隷
ショートストーリー

簡易ながら拘束された彼女は、ベッドでぐったりとしていた。まあ、僕が拘束したのだけれど。彼女の虚ろな目には、ラブホテル特有の安っぽいシャンデリアが写っている。

「気持ちよかった?」
「…う、うん」

彼女は照れながら、躊躇いながら、でも、肯定した。僕は、ニコリと笑ってから、彼女の耳に舌を這わす。

「じゃあ、まだ、イけるね」

彼女は、ギクリと身を捩ると、イヤイヤと首を横に振った。

「嫌なの?」
「も、むり」

彼女は泣きそうになっていた。そりゃあ、そうだろうな、と思う。この小一時間の間に、玩具で何回イったのか、わからない。でも、僕は彼女が断らないのをわかっていて、意地悪な顔をした。

「無理なら、もうやめる?まだ、挿れてないけど、それでもいいの?」
「いやっ」

彼女は、また首を横に振る。

「嫌なの?淫乱だね。じゃあ、どうして欲しいか、言って?何でもしてあげる」

僕がそう言うと、彼女は、羞恥心と闘いながら、瞳の奥を濡らしながら、絞り出すように、強請るように、言う。

「君が、欲しいの」

今の彼女には僕しか見えてないだろうし、僕以外のことは考えていないだろう。身動きも出来ず、全てが、僕に委ねられている。こう言う時の彼女の表情が、瞳が、僕は大好きだ。

「良いよ」

拘束を解きながら、彼女のナカにはいる。彼女は、泣きそうな我慢するような顔をする。

「我慢しないで」
「や、だめ」
「ダメじゃないでしょ?」
「ぁ、やん。イイ、イイの」

彼女は、泣いていた。涙を舌で掬う。彼女は、僕と僕からの快楽とで溺れていた。僕は内心で、ニンマリと嗤う。

「可愛い」

そんな言葉で誤魔化して、律動を開始した。彼女は、すぐに嬌声をあげる。

何度も何度も、角度を変えて突き上げた。高まった彼女は、もうやめて、と泣き出す。その顔が、そそる。

「やめるわけ、ないでしょ」
「あああ、やめて。んっ、あっ。やめ、ないで」

彼女はもう、訳がわからないようで、僕にしがみついて、なされるがままだった。

僕が果てた後も、彼女は、僕にしがみついたまま、小さく震えていた。

「大丈夫?」
「へーき」

鼻をすすりながら、ふにゃりと笑った彼女を力一杯抱き締めた。その瞳は、僕しか写していなくて、とても、愛おしかった。

「もう一回、しようか」

言いながら、耳元に舌を這わせれば、彼女が嫌だと言うことは、ない。彼女は、僕の言いなりだから。僕は、歪に嗤いながら、彼女をシーツに縫い付けた。



end
話題:SS


13/09/22  
読了  


-エムブロ-