予告通り、創作文章を投下します。
ちょっと時間過ぎたのは、ごめんなさい。
予告通り、私の日頃の出来事を元に、妄想とか色々な要素をふんだんに盛られています。
GL・百合・セクシャルマイノリティと言う言葉を知らない方は見ないことをお勧めします。
さほど上記↑が感じられる内容ではありませんが、念の為。
それから、CB400(略:CB)という名前のバイクが出てきます排気量は400cc。
私のバイクは何のバイクかは明記しません。排気量250ccとだけ表記します。
…期待はしないで下さい。←
ご意見・感想等ありましたら、コメント・web拍手からどうぞ。
それでは、追記からお読み頂けます。good luck。←
私はバイクに乗り始めて、まだ半年たったくらいだ。そして今日、初めてこの道を通る。すでに時刻は夜だ。
私はまだ「すり抜け」をすることができないし、何より怖くてできない。ヘタレだからだ。
そのため通勤による軽い渋滞に捕まってしまい、トロトロと車の流れに為されるがままだ。
後ろからくる原付バイクはどんどん車をすり抜けていく。
その時、後方からフォン、という甲高いエキゾーストが聞こえた。
1台の青いバイクがすり抜けてきた。真新しいCB400だ。
そのバイクは私のいる車線の隣、左前方で信号待ちをしている。
そのライダーはタイトな革ライダースを着ていて、ヘルメットもブーツもグローブも、全部黒で統一していた。
髪を一つ結びにした女の人だった。
かっこいい、と私が視線を送っていると、彼女はどうやら私に気付いた様だった。
信号が青になる前に、CBのアクセルを数度ふかし、ミラー越しにこちらを見た。
「着いてきて。」
と聞こえた様な気がして、私は信号が青になった後、彼女の後ろに着いた。
すると、彼女は私が着いていけるスピードで、安全な方法で混雑した道をパスしていく。
私のバイクは250ccだ。彼女のCBはすぐに私を突き放すことができる。
そして、道がだんだんとすいてきて、車がまばらになってきた。
彼女は本当に私を渋滞から抜け出させてくれた。
そのまま彼女と連れ添って、しばらく走る。CBのエキゾーストがたまらない音をしていた。
私はこの時間がもう少し続いたら、と本当に思った。トンネルを抜けている間は、いつもと違う時が流れた。
トンネルを抜けて気付くと、すでに見知った道に変わっていた。別れの時がやってきた。
彼女はこちらにふと視線を寄越し、左手で合図を送る。私もそれに左手で答える。
「じゃあね。」
と言って、彼女はクラッチを繋ぎ、一気にCB本来の加速をしていった。
CBのテールライトが、どんどん霞んでいった。
その日から私は甲高いエキゾーストが聞こえたら、必ず確認するようになった。
しかしそれから一度も、彼女に出会っていない。
走り続ければいつか、また会えるだろうか。
またあの特別な時を過ごせることを、私は望んでいる。
end.