※男マスター・ミク&リンSS
「…………ッくしゅん!」
「ん?」
ある秋の夜。
俺が久しぶりにゲームをやっている時、俺の隣に座ってゲームを見ていたミクが小さく可愛らしいクシャミをした。
「どうしたミク、寒いのか?」
「あ、ごめんなさいマスター、ゲームの邪魔しちゃって…」
「いや、全然大丈夫。っつかもしかして風邪か…?」
俺はゲームを一時中止画面にしてから持っていたコントローラーを床に置き、ミクの前髪を上げて額と額をくっつけて熱を計ってみた。
…あれ?つかボーカロイドって風邪引くのか?
むしろ風邪っていうかウィルスに感染とかか?
俺が一人そんな事を考えていると、ミクの顔がボフン!という小さな爆発音と同時に耳まで真っ赤になった。
「ミク?どうした?顔真っ赤だぞ。まさかウィルス?」
「ちちち違うよマスター!!わわわ私はただ寒いだけでウィルス感染でもなんでもないですます!!」
…ミク、それ何語?
なんだか面白い動きと言動をしながらごまかすミクを少し面白いな、とか思った事は黙っておこう。
…でも、確かに。ミクは寒くて当たり前かもしれない。
公式の衣装とはいえ、ノースリーブのシャツにミニスカじゃあ流石に寒いだろう。
長袖を着ている俺でさえ寒いんだ、ミクはもっと寒いハズだ。
俺は自分が着ていたボーダーのセーターを脱いで寒くないようにとミクにかけてやった。
するとミクは驚いたような顔をして。
「ま、マスター、私は大丈夫だよ?これマスターのだし…」
「いーの。それにミクはまだウチに来たばっかだからサイズ合う服ないだろ?リンのじゃ小さいだろうし。
だからそれ着てな」
「でもそれじゃマスターが寒いよ?」
「俺はヘーキ。俺よりミクが寒い方が俺は嫌なの。だから、な?」
微笑みながら俺がそう言うと、ミクはまた顔を赤らめて視線を俺が貸したセーターに落とし、サイズが大きいせいで完全に袖に隠れている自分の手を見た後、照れ臭そうに笑った。
「ありがとう、マスター!」
「どういたしまして」
素直なミクを純粋に可愛いな、と思いながら俺も笑い返す。
さて、ゲームを再開するか。
そう思ってコントローラーを手にした時、
「…マスターの匂いがする……」
恋する乙女のような表情で顔を赤らめたまま、だぼだぼのセーターの袖を口元に当てるミク。
その姿につい俺は笑ってしまった。
「え、ま、マスター?なんで笑うの?」
「いや?ミク小動物みたいで可愛いなーって思って」
「かっ…!?」
俺の発言にまたしても本日二度目の爆発音と共に顔を真っ赤にするミク。
あー…なんかからかいがいあって面白いな。
そんな失礼な事を考えた時……
「うりゃあぁあぁぁぁ!!!!!」
「どわっ!?」
「きゃあっ!?」
いつから居たのか、リンが背後からスライディングする勢いで俺とミクの間に入った。
プロのサッカー選手や野球選手も顔負けなくらいに。
「り、リンちゃん?」
「リン…お前何してんだよ、スポーツしたいなら明日にしなさい近所迷惑になるから」
「だってマスターとミク姉がいちゃこらしてたんだもん!!リンの胸に黒いものが渦巻いた!!」
「ちょっ、リンとりあえず落ち着け、つかいちゃこらとかどこで覚えてきたんだ、ンな言葉」
リンは俺とミクの間を陣取り、キッと睨むように上目使いで俺を見てくる。
「マスター!!リンも寒い!!」
「うん、じゃあ自分の服着ようか。前(無理矢理)セーター買って(買わされた)やったろリンが欲しがってた俺とお揃いのセーター」
「取りに行くのイヤ!!マスターのがいい!!今すぐ!!」
「いやいや、これ以上脱いだら俺半裸だから。マジで風邪引くから」
「じゃあマスターの膝に座らせて!」
「なにゆえ?」
「マスターがリンを後ろからギュー!してくれればあったかいもん!リン頭いい!」
「いやつか俺ゲーム中…………聞いてねぇなおい」
問答無用といった感じに俺の膝に座るリン。
俺の意見は聞いてないんですね、わかります。
つか何を意地になってるんだリンは。
俺は隣で呆然としているミクと俺の膝の上でご機嫌になっているリンの二人の頭を撫でた後、やっとゲームを再開した。
抗議するのは、正直疲れました。
そして早く暖房機具を出そうと思った。
だって大好きだから
(誰にも渡したくないの!誰にも負けないわ!)
END
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はい突発だから意味不明ー(笑)
いや最近夜と朝寒いから、ミクやリンとかもっと寒いんじゃなかろうか?とか寝ぼけながら思ったんで書いてみた←