西さんとメイアンのお話です。
話しててやりたくなったネタを詰め込んだので長くなりました…
かの有名な発言?が結果やりたかったのです(^q^)←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
若干BL彷彿させる発言描写ありです←
ほのぼのなお話です
制服ネタとか馬術大会ネタとか…
結果やりたかったのは一番最後の台詞?
メイアンはキスマークつけるとかしれっとやりそう
素直になれない?西さんが可愛いです(^q^)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
いつも通りの穏やかな朝。
自室で着替えをしているのは黒髪の少年……西。
彼は自分の軍服に袖を通しつつ、鏡をちらりと見た。
ふと、あるものが目に止まる。
そして彼は小さく溜め息を吐き出した。
「……はぁ」
「?どうかしたの?西」
溜め息を吐き出す彼に声をかけたのは、彼のベッドに腰かけたままの金髪の男性。
彼……メイアンは長い金髪を後ろで纏め、前髪をピンで留める。
そんな彼をちらりと見ると、西は少し躊躇うように視線を彷徨わせた。
それから軽く服を引っ張りつつ、自分の首筋を示して、いった。
「……これだよ」
彼が示しているところ。
そこにはくっきりと赤い痕が残っている
それをみてメイアンはまばたきをする。
そして、目を細めつつ、なんのことはないというようにいった。
「あー、キスマーク?」
「!は、はっきりいうなっ」
西はメイアンのあっさりした反応に顔を赤くして、いう。
そんな彼をみてクスッと笑いつつ、メイアンは彼をからかうような口調でいった。
「くっきりついたねぇ……
昨日は軽く噛みついちゃったから」
そういいつつメイアンは目を細める。
そして、西を見つめた。
彼の視線に西はいっそう真っ赤になる。
昨夜の彼の甘い声や、それに喘ぐ自分の姿を思い出してしまったからだ。
「っいうな!」
そういいつつ、西はきっちりと服を着る。
彼の様子に笑いつつ、メイアンはいった。
「いいじゃないの、見えないんだから」
貴方の制服の形状を知ってるからこそよ、とメイアンはいう。
彼のいう通り、西の制服は詰め襟型になっているため、
首筋にキスマークをつけたところで別に見えはしない。
事実、今もしっかりそれは隠れている。
いいじゃないの、というメイアン。
西はそれを恨みがましげに見つつ、いった。
「……見えないからって調子に乗るなよな……」
まったくもう、と言いつつ彼は首筋に触れる。
恐らくそこに痕が残っているだろうと思うところに触れれば心なしか熱を感じた。
メイアンは西の発言に唇を尖らせる。
そして、小さく首をかしげながら、いった。
「あら、嫌なの?私のだって証なのに……」
そういう彼は少し拗ねた様子。
西は彼の言動と様子に慌てた顔をした。
それから、少し吃りつつ、いう。
「……別に、いやとは、いってねぇけど……
万が一人に見られたらどうすんだよ……」
こんなの見られたら恥ずかしくて死ぬ、と西は呟く。
彼の発言に、メイアンはくすくすと笑った。
そして涼しい顔をして、いう。
「見られなければいいのよ」
そういう制服なんだから、とメイアン。
そんな彼の発言に、西は再び深い溜め息を吐き出したのだった。
と、諦めた風な彼を見つつ、メイアンは訊ねた。
「西、今日はどうするの?」
私はこれから仕事なんだけど、というメイアン。
西はそれにまばたきをしつつ、いった。
「ん?あ、仕事もないし……
ウラヌスと、馬術の練習しようかなって」
そういう彼の瞳が少し揺れる。
なにかいいたげに、口元が少し動いた。
それを少し怪訝に思いつつ、メイアンは頷いた。
「あら、そうなの」
楽しそうね、と微笑むメイアン。
そのまま彼は身支度を終えてベッドから立ち上がる。
そのままサイドテーブルに置いてあった制帽をかぶった。
よし、と小さく声を漏らすメイアン。
それをみて、西は小さく声をあげた。
「あ……」
西は引き留めるように彼の服を握った。
彼の行動にメイアンは少し驚いたような顔をして、彼の方を見る。
そして小さく首をかしげて、訊ねた。
「?どうかした?」
彼の問いかけに西は大きく目を見開き、視線をあちこちに逃がす。
そして、ぶんぶんと首を振った。
「い、い、いや……」
なんでもない!と声をあげる西。
メイアンはそれをみて、暫し怪訝そうな顔をしていたが、やがてふっと笑った。
「変な西」
まぁいいのだけれど。
そういいつつメイアンは西に微笑みかけて、いった。
「とりあえず、私も仕事にいってくるわね。
レーシー一人にずっと任せる訳にはいかないし」
最近は此処に泊まることも増えてきたメイアン。
そんな彼ではあるが、仕事にはいかなくてはならない。
彼がそういうと、西は何度も頷いた。
「あ、うん、そう、だよな」
わかってる、と西はいう。
メイアンは彼の頬に軽いキスを落としながら、いった。
「いってくるわね。仕事が終わったら来るから」
それまで待っててね?
そういって歩き出すメイアンを西は見送る
「……いってらっしゃい」
ワンテンポ遅れてそう呟きつつ、彼はもう一度深々と溜め息を吐き出したのだった。
***
そうしてメイアンを見送った西。
午後になると一人、外に出てきていた。
そして向かったのは厩。
そこにいるのは西の愛馬、ウラヌス。
ウラヌスは西に鼻を寄せて嘶いた。
そんな愛馬を撫でながら、西は溜め息をひとつ。
「ウラヌスー……どうしたらいいんだろうなぁ」
彼はそう呟く。
何やら困っている様子の彼に、ウラヌスも心配そうに声をあげる。
そんな愛馬を撫でながら、彼はいった。
「メイアンを、今度の大会に誘いたいだけなのに……」
そう。
先程から西の様子がおかしかった理由は、それ。
今度の週末に、西は城下で開かれる馬術大会に参加することになっていた。
それを見に来てほしいと、メイアンを誘いたくてそわそわしていたのである。
しかし、如何せん不器用な西。
上手にメイアンを誘うことあできず、やきもきしているのだった。
いったいどうして誘ったものか。
そう思い何度も何度も声をかけようとはしたのだけれど、
いまだに成功してはおらず……
こんな、直前になってしまったのだった。
「……諦めるしかないのかなぁ」
西がウラヌスに向かってそう呟いた、そのとき。
「西?」
「うわ?!」
不意に聞こえた怪訝そうな声。
それにぎょっとして西は飛び退いた。
声がした方を見れば、逆に驚いた顔をしているメイアン。
西はそれをみてまばたきをしつつ、いった。
「そんなに驚くことないじゃないの」
酷いわね、とメイアン。
西は唐突に現れた彼をみて動揺した表情だ。
未だ彼は仕事中のはず。
それなのにいったい何故此処に?
「ど、ど、どうしたんだ?未だ、昼なのに……」
そう声をあげる彼。
メイアンはそれをみて小さく首をかしげつつ、いった。
「ん?ディアロ城騎士団に依頼があったから来たのよ……嫌だった?」
迷惑?
そう問いかける彼に、西はふるふると首を振って、いった。
「い、嫌じゃ、ないけど……」
ちょっと驚いただけだよ、と言いつつ西はウラヌスを撫でる。
どうにも、落ち着かない様子だ。
メイアンはそれをみて、いう。
「そ……お邪魔だったかしら?」
不意にそんなことをいう彼。
西は彼の発言にまばたきをする。
「え?」
どういうこと?
そういう西に、メイアンはふっと笑って、答えた。
「仲良しなのは良いけど……ちょっと妬けるわね」
そういいながら彼が見るのは、西の愛馬ウラヌス。
仲良し、というのは……ウラヌスと西の湖とか。
「あ、うん……ウラヌスは大事な相棒だからな」
そういう西をみて、メイアンは微笑む。
楽しそうで何よりなのに違いはないけどね、と言いつつ彼はふっと息を吐き出した。
そして、いう。
「そろそろ帰らないと……じゃあ……」
じゃあまたね。
そういいかけたメイアンの手を、西はぐっとつかんだ。
驚いた顔をして振り向く彼を見つめる。
そして、いった。
「あ、あのさ……しゅ、週末に城下で馬術大会があるの、知ってるか?」
「え?知ってる、けど……」
メイアンはキョトンとした風に答える。
そんな発言を聞いて、西は一度言葉を飲みこむ。
……言おう、と思ったがやはり覚悟は決まらない。
「?それが、どうかしたの?」
そう訊ねるメイアン。
西はそれに口ごもったが、これ以上のチャンスはないと、そう思った。
そして、すっと息を吸い込む。
「え、えっと……あれだ、あれ……!
俺とウラヌスの勇姿見てろ!」
きぱっとそういいきる西。
それを聞いて、メイアンは大きく目を見開く。
西はそう口にすると同時に真っ赤になった。
そして顔を伏せる。
自分はいったい何をいっているんだ、と思う彼。
あんな風に伝えるつもりは皆無だったのに、と。
どうしたものか。
そう思うと顔をあげられない。
と、そんな西の肩を、メイアンが軽く叩いた。
ビックリして彼は顔をあげる。
「な……何?」
そう訊ねる西。
メイアンはそんな彼を見つめ、にっこりと微笑む。
「ふふ、楽しみにしてるわ?」
そういいながら、彼は西の頬に軽くキスをする。
そして少しずれた西の軍帽を直してやってから、仕事に戻っていく。
「……はぁあ……」
やっと言えた……!
西はそう呟いてウラヌスの背に顔を埋める。
そんな乗り手をみて、ウラヌスも何処かほっとしたように嘶いたのだった。
***
そうして、やって来た馬術大会の当日。
西はウラヌスと一緒に城下町の乗馬場に来ていた。
観客は多く、賑やかだ。
こういう場にはかなり慣れているためそんなに緊張しないが、
別の理由で彼は緊張していた。
それは無論、今日の大会に来ているはずの"彼"のことが原因。
恋人、と呼ぶには少し気恥ずかしいが……
きっと、そんな相手が見に来るのははじめてで。
「あ……」
西は観客席の一点に目を止めた。
そこには、見慣れた長い金髪の彼……メイアンの姿があった。
一番前。
分かりやすい位置だ。
西はそんな彼の姿をみて、少し表情を綻ばせる。
見に来てくれと頼んだのは西だったが、それでも……来てくれるのは、嬉しくて。
「……よし、いくか、ウラヌス!」
そういう彼の声に応じるようにウラヌスも声をあげる。
そんな愛馬の背に跨がり、西は会場に入っていく。
彼らの技術は、並みの選手では到底敵わないもの。
あげく、大切な人の前での競技となれば必然力も入る。
いつもより高く障害物を越えるウラヌスの体。
高いジャンプ。
美しい着地。
それに響く割れんばかりの拍手。
しかし何より西が嬉しく思ったのは、西にも見えるその場所で見ていてくれた彼が、
楽しそうに笑って、大きく拍手してくれているのが見えたことだった。
結果はぶっちぎりの、一位。
表彰台に立った西は視線を観客席の方へ向ける。
メイアンと、目があった気がした。
そんな彼の方をみて、彼は勝ち気に笑う。
感想を求めて差し出されたマイクに向けて、彼は高らかにいった。
―― We… ――
("We won!(俺たちは勝った!)"と、そう声をあげる。
大切な相棒と一緒につかみとった勝利、その瞬間をみてもらえたのが嬉しくて)
(輝く金の瞳が、嬉しそうな笑顔が、あんなに離れていたのに見えた気がした。
こんな笑顔を見られるなら、何度だって貴方の大会を見に行きましょう)