人工歯の中でも、インプラント治療はほとんど保険が適用されません。


保険がきけば治療を受ける方の数も増えるかもしれません。


それでも保険適用外なのはインプラントを作り、あごの骨に埋め込もうとするとブリッジや入れ歯など、保険適用ができる治療と比べて時間も手間もかかるからです。


あごの骨に穴を開けてインプラントを埋入し、周囲の歯との力関係を調節するなど時間を要し、時間に見合った医療費がかかります。


全面的に保険がきくことにしてしまうと、他の保険適用治療にしわ寄せが行くでしょう。


他の歯科治療と、インプラント治療が大きく異なるのは失敗したとき、やり直しはほとんどあり得ないという点です。


義歯の中でも、入れ歯やブリッジと違い、人工歯根とあごの骨を結合させてしまうので時間をかけてもインプラントと骨の間に組織が形成されず、骨とインプラントがしっかり結びつかなければ、再度、大がかりな手術を行ってはじめの手術時より、大きく骨を削る羽目になります。


埋入するのもリスクがあって、周辺の神経を損傷する危険性もあります。


手術では他の歯に触れていなくても、インプラントをした後、近くの歯がうずくように感じられることがあるようです。


人工歯根を埋め込んだことで、その周辺の歯の神経も刺激されたことが原因で時間の経過ともに落ち着くのが自然な流れです。


ただし、他の原因で生じることも十分考えられるので、異変を感じた場合はすぐに歯科医に連絡することに努めましょう。


インプラント治療は骨を削って人工歯根を埋め込む手術を伴うので、当然、ある程度のリスクを伴う治療です。


どのような失敗が考えられるかというと、人工歯根や上部体(義歯)の脱落、使用中の破損などのインプラント本体に生じた問題、手術の後、あご周りの痛みや腫れが続くといった身体に関する問題、あるいは歯並びが悪くなる、あごの骨が変形するなど見た目を損なってしまう問題もあります。


このような危険をできるだけ避けるために、歯科医はともかく慎重に決めてください。


成功すれば満足感が大きいインプラント治療ですが、そのマイナス面も知らなければなりません。


まず、他の歯科治療と比べても費用がかかることです。


高くついた場合、数十万円にもなるケースもあるのです。


加えて、治療が失敗して健康被害が起きると、かなり深刻化するリスクも背負っています。


障害が残るばかりか、治療が原因で死亡することも過去にはありました。