+メンバー
・マゴヘイ
・イサク
「はーい皆聞いて!」
笑顔でライゾーが収集をかける。なぜかその後ろには、真っ青な顔をしたイサクさんが。
…また何か不運なことでも起こったんだろう。しかも俺たちにも被害が起こるようなこと。
そういや二人は今日の食事当番だっけ。…予想付くな。
「さて、皆さんにお知らせがあります。」
「はーい先生。」
「なんですかサブロー君。」
「たぶんイサクさんが出来立てほやほやの料理をひっくり返しその上それらを魔物に奪られたんだと推測します。」
「はい正解。花丸あげちゃおう!」
「あーあ、ライゾーが壊れた…。」
「ヘースケそんな呑気なこと言っていいと思ってるのか?マゴヘイ。」
「はい、確か食材はもう無いです。」
淡々と、食材管理を任せているマゴヘイが現実を告げる。
今日、日持ちするような料理を作り、残りの日数を凌ごうとしていたのだ。
次の街までは…遠い。そりゃものすごく、遠いのだ。
「だからこの前の街で買い込んでおきましょうって言ったのに。」
「マゴヘイ、もう過ぎたことを言ってもしょうがないさ。」
「ハチさんは楽感的すぎます!ヘースケさんも何か言ってくださいよ!」
「いや俺そこまで食にこだわり無いからさ。いざとなったら魔物でも喰えば大丈夫!」
「そういう問題じゃないでしょう…!?」
ハア、とマゴヘイがため息を付く中、そろそろイサクさんをあの双子ブリザード(精神的)から救わなきゃ。
あの二人はなぜか食欲旺盛だからな。「魔力には体力が必要なんだ」とかなんとか言ってたっけ。
それにあの…能力いれかえなんたら?も体力使うって言ってたしな。
「ほらほら、それぐらいにしといてやれ。イサクさんにも悪気があったわけじゃないんだし。」
「ハチくん…!!」
「ハチ…。それは分かってるんだけどさ。」
「ほら、理解と食欲は別物っていうかさ!」
「その笑顔しまえサブロー。あんま動かない方が腹も減りにくいぞ?」
「…分かりましたよ。」
しぶしぶ、といった感じでイサクさんから離れる二人。
しかしこの現実は変わりはしない。前の街に戻ろうにも、今の俺たちには「ある事情」から無理な話なわけで。
さて、どうしたものか。
すると、ここにきてやっと元気を取り戻したのか、イサクさんがしゅびっと手を上げた。
「提案があります。」
「なんですか?」
「僕一人なら前の街に戻っても平気だと思うので、買いに行ってくる、というのはどうでしょうか!」
「そういや、イサクさんは違う恰好してたんでしたね。」
「そうそう!だから捕まることもないだろうし。」
「うーん…。」
ちら、と皆を見やる。
その顔が示す意味は「それしかないだろう」というものだった。
「分かりました。俺たちはここで待ってますから、よろしくお願いします。」
「うん、任せてよ!」
その後、彼女の姿を見たものはいなかった……わけじゃないけど、往復一日半の道を一週間かけ、なおかつぼろぼろだった彼女の姿は、まあ想定の範囲内なわけで。
その間の俺らの食事?人間案外なんでも喰えるものなのだ。
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RPGネタと言えば食料ネタでしょう!ってことで。
イサクの不運=パーティの危機に繋がったり繋がらなかったり。
前の街に戻れなかったのは、ストーリー上の理由。軍に追われてるとかそんなの。ご自由にご想像してくださいな!ストーリーは細かく決めるつもり皆無なので。