都内某所。怪人はいつもと違うパターンで出現。幹部の指示のもと、中級メギドと戦闘員で市民を襲撃したのである。


幹部は飛焔だった。

「俺が出てもいいが、鳶旺にでしゃばるなと言われちまったからなー…」


飛焔は正直、戦いたかった。戦いたくて、戦いたくてウズウズしてるのにあの人使い荒い上司(鳶旺)に制限かけられてしまうと…。

鳶旺って戦うとめちゃくちゃ強いらしいが、不気味なだけでわからないんだよな…。素顔は1度も見たことがない。
鳶旺と直接戦った、「蔦沼」とかいうゼルフェノアの人間は素顔を見たらしいが…。



中級メギドは爬虫類型だった。現場に到着したゼルフェノア隊員達。

時任は声を上げる。
「中級メギド久しぶりに見た!イグアナ?カメレオン?爬虫類っぽいな〜」
「つべこべ言わずにさっさと攻撃しろ!近くに幹部はいるはずだ!!」

御堂も戦闘員に攻撃しながら指示を出してる。今回は鼎もいたが、ブレードを長官に預けているため桐谷と共に援護。

「私は桐谷と共に援護に回る。ブレードは預けているから前衛につけん」
「鼎が援護って珍しいよな…」


あいつ、ブレードを長官に預けたって聞いたが。鼎の鷹稜は長官が作ったんだっけ…。


爬虫類型怪人ということで、晴斗と時任が攻め立てる。
「暁くん、こいつイグアナかな?トカゲとは違う気がする」
「時任さん、呑気だな!」


晴斗は怪人に攻撃しながら話してる。この中級メギドの能力がわからないまま交戦。
突如、怪人が能力を露にした。姿を消したのだ。

そして見えない敵にいきなり突飛ばされる2人。御堂は銃で応戦するも、敵の姿が見えないために苦戦。


どこにいる…!?


戦闘員に関しては鼎と桐谷がほとんど倒していた。
桐谷は敵の姿が消えたのを見るや、鼎にあるものを渡す。

それはカラフルなボールのようなもの。桐谷は鼎に伝えた。
「これはカラーボールです。これが当たると相手に色がつきます。…あとはわかりますよね?」
「爬虫類型に投げろというわけか」
「鼎さん、これも渡しておきます」


桐谷は銃用のものも用意していた。


「弾の代わりにこちらをセットして下さい。鼎さんはそのままカラーボールを投げるよりも、銃で撃った方が確実な気がします」
「…わかった」


晴斗達は見えない敵に翻弄されているが、御堂はあることに気づいた。
「こいつはカメレオン型だ!」


カメレオン!?


「御堂さん、どうすりゃいいのさ!?」
「お前のワイヤー使え。動きを封じればなんとかなるだろ」
「ラジャっす!」


時任はワイヤーを展開、敵を狙うのではなくあえて違う場所を狙ったのだ。
御堂は察した。なるほどな…。


鼎と桐谷はカラーボールを使い、見えない敵にマーキングする作戦を実行。
闇雲に投げる・カラーボール弾を撃つわけではなくタイミングを見計らっている。


まだだ…まだ…。
2人はジリジリとその時を待っている。そして!


ターンという銃声と共に一発の弾が爬虫類型怪人に命中。弾は弾け、怪人にマーキングされる。

撃ったのは鼎。


マーキングしたことで御堂は容赦ない銃撃を怪人にする。かなりのダメージ。
時任はワイヤーを引っ張り、鉄パイプを怪人に散乱させる。

「ワイヤーはこんな使い方もあるんだよ」
時任どや顔。


晴斗はダメージを受けた爬虫類型怪人に一気に発動を使い、とどめを刺す。
カメレオン型怪人は倒された。


晴斗はふと、幹部らしき人影を見た。
「御堂さん、あいつを追います!」
「あいつ!?」

御堂は見た先には飛焔の姿が。晴斗は猛ダッシュで街中を駆け抜ける。
「待てーっ!」

晴斗は飛焔を追う。そしてなんとか追いついた。


「ひ…飛焔…何考えてんだよ」
「お前…足速いな」

「そんなことじゃなくて…」
「予定狂わせるなよ、ガキが」


飛焔は突如冷たくいい放ち、手から蒼い炎を発する。そして剣の形へと変えた。


剣になった!?


「ことごとく邪魔されてイライラしてんだよ。俺が戦うの、お前じゃなくて仮面の女なら良かったのに」
「鼎さんに何の関係が!?」
「お前聞いてないのか?俺が12年前の一連の放火事件の犯人なんだよ。都筑家を放火したのもな」
「なっ…」


晴斗は動揺していた。


そして恒暁を発動させる。特殊発動させ、飛焔の炎から変化させた剣と交戦していたが…力の差は歴然。
なんとかダメージを与えたられたが、こいつはまだ人間態。

怪人態になったらさらに強さを増す…。あの火の剣、なんなんだ!?



飛焔は楽しげにひとしきり戦うとやめてしまう。

「俺が戦いたいのは『紀柳院鼎』だけだ。お前じゃない」


そう言うと飛焔は消えた。



本部では飛焔が火から剣に変化させた瞬間を見逃さなかった。


「…あれ?長官は」

宇崎は司令室に自分と南しかいないと気づく。南は真面目そうに答えた。

「蔦沼長官は先ほどお部屋へ行きましたよ。今日はもうお休みになるそうです」
「南も休みなよ」
「そうですね…。それでは部屋へと行きます。我々はあと2日ほど泊まる予定ですので」

「南も大変だな…」
「飛焔が剣を使うと判明したのは大きいですよ。大収穫です」


そういうと南は上層部用の宿泊スペースへと向かった。
本部には隊員用の簡易宿泊スペースもあるが、上層部用の宿泊スペースも存在する。南は長官の秘書でもあるため、上層部用に泊まる。



本部・上層部用宿泊スペース。長官の部屋。


「南、報告ありがとね。やっぱり飛焔は剣を使ったか…。あと2日で『鷹稜』の調整を終えなくてはね。しかし、暁もよく攻めたな〜」
蔦沼は感心してる。南は長官を心配。
「長官、そろそろ休んで下さいよ。今日本部に来てからずっと調整していましたよね…」

「じゃあ、そろそろ休むとするかな」