楓/Spitz

安定剤を辞めたら、自傷が辞められなくなってしまった。何度も傷付けて血を見てはっとする。これじゃあ、ただのメンヘラじゃあないか。傷つくのは腕と心だ。不安定な理由は分かっている。だけれど、私が頑張った所でどうにもならないこともある。そう、就職。相手が求めるものと合わなければそれまで。分かってる、仕方がない。
2年頑張った公務員の勉強も無駄になってしまった。幼い頃の夢も捨ててしまった。なにも残ってないんだ。
高望みをしたことはなかった。
人並みの幸せをただ、望んできた。
何処で、いつ、こんな事になってしまったのだろう。もう、死んでしまう道が残っていない気がする。社会的に価値がないように思えてくる。もうなにも、誰も自分を必要となんかしていない。なのに死ねない自分も情けない。