転生ネタで、現代→半兵衛の妹の話。
主人公は、外見は半兵衛をしおらしくさせた守ってあげたい系大和撫子。
中身は記憶引き継ぎで、いじめっ子少々我が儘なガキ大将タイプ。
走り回ったりいびったりするのが大好きで、色んな人に攻撃を仕掛ける子。
黙ってればいいのに……の典型。
とりあえず家族や秀吉から、蝶よ花よと愛でられて育つ。
原作知識があるので、特に豊臣軍が好きだったわけではないけど、前世持ちゆえに変なことをたまに言ってしまう自分を受け入れてくれる兄たちは勿論好き。
ねねとは面識がないが、幼少時代、慶次とは秀吉を通して一度だけ会っている。
家康と三成は幼馴染み。
刑部は病気が移らないこともわかっているのでよくなつき可愛がってもらっていた。
で、話はここから。
いつも通りに家康と遊び、三成をこき使い苛め、刑部の膝で寝、秀吉の肩を叩き、そして半兵衛とお茶をすすっていた豊臣が天下を掌握する以前。
「そろそろ君も身を固めた方がいいかと思うんだ」
「兄上が仰るなら。もう縁談は決めているのでしょうし」
「ははは…その通り。君にはすべてお見通しなのかな、実は…官兵衛と夫婦になってもらおうかと思ってね」
「官兵衛?」
「君も会ったことがあるはずだよ。前髪の鬱陶しい…」
「ああ…あれですか。わかりました」
「苛め甲斐があるはずだから☆」なんて冗談混じりに兄は言っていたが、この時代武家の娘がそんなことだけで結婚させられるわけがない。
でも当主でありお世話になってきた大好きな兄に逆らう気もなく二、三回しか会ったことのない官兵衛と結婚することに。
官兵衛の方はまさかお転婆とは言え美人で気立てのいい半兵衛の妹との縁談が来るとは思っていなかったので、運を使い果たしたと慌てつつも嬉しい。
しかしいつも一緒にいた三成からすると納得がいかない。
「あいつはいつか裏切るかもしれないし、運も悪いし空気も読めないんだぞ!」
と妹に詰め寄る。
妹の方はそれで合点がいく。
シスコン半兵衛の大事な妹を嫁にもらえば裏切るものも裏切れない。
わたしはストッパーか、と理解。
ならば尚更、兄の役に立ちたいと思う。
元の世界である程度の年は取っていたので、青臭いことを言うつもりはない。
三成には
「わたしが嫌だろうが結果は変わらないっての。それに三成には関係ないでしょーって、あ、まさかわたしに惚れてたー?」
なんて話をすり替える。
そうしたら真っ赤になって起こり出す予想に反し、
「ああ!そうだ!だから関係があるッ」
なんて真剣に言われてきょとーん。
しばらく沈黙した後に、半兵衛が通りかかる。どうかしたのかい、なんて白々しい笑顔と冷たい視線を三成に向ける。
三成が半兵衛に意義を申し立てようとした瞬間、平手打ちぴっしゃーん!
え?!な二人の空気を無視し「はーせいせいした!じゃあね!」と半兵衛を連れてその場を後にする。
本当は半兵衛だって、愛しい妹をあんな運の悪い・忠誠も誓えぬ男のところにやるのは心底嫌だが、官兵衛は力があるので豊臣のためと思って妹を犠牲にすることを決めていた。
半兵衛にとって妹は半身のようなもの。
家族であり妹であり、己である。
そんなこんなで官兵衛と結婚前に顔合わせ。がっちがちに緊張している官兵衛と、いつも通りの妹と半兵衛と秀吉。
官兵衛がごにょごにょ挨拶を始めると、不意に妹が立ち上がり官兵衛の前にずいっと顔を出し怪訝な顔を。
「なっ、ぬあっ!?」
「あんた、前髪切んなさいよね! 鬱陶しいにもほどがあるわ!」
とかなんとかやりながらも、結納済ませ式済ませで結婚。前髪引っ張ったり背中に蹴り入れたり、あんた馬鹿ぁ?とか言っちゃうけど結局なんだかんだ仲がいい話。
三成くんは結局妹より豊臣だったから負ける話。
簡単に言うと「現代から転生した半兵衛の妹が政略結婚した官兵衛を、貶したり苛めたりしながらも結局夫婦仲がいい話。
それを見て微笑ましく思ったり、疎ましく思う周り。豊臣は壊滅しないんだからね!」ってすごく簡単にまとめられたんだからね……わたしは馬鹿だ…っ…!
同主人公で派生とか
派生1▼豊臣が滅んじゃった編
秀吉も兄もいなくなって、愕然とする妹。原因とも言える家康から、一緒に来いと誘われるが勿論断る。最早殺してやるレベル。それを期として台頭しようとした官兵衛についていくか、別れるか。はたまた官兵衛も三成たちと一丸となって倒しに行くかもしれない。
派生2▼天女様が来ちゃった編
豊臣が滅んでないけど徳川により弱体化、のレベルのときに天女様(トリップしてきた現代人。
勿論原作大好きな知識とトリップ特権“最強”“愛情補正”を持つ)が降臨☆
補正の力で周りの武将を片っ端から掌握(同盟)していく。
そんな噂は弱体化した豊臣にも届く。
やべえんじゃね?な空気の中、何故か豊臣にまで同盟の話が。
罠かと思いきや、天女様がただ単に豊臣好きなだけ。しかも、官兵衛が一番。同盟のお願いの挨拶に来たとき、官兵衛に嫁(しかも半兵衛の妹)がいると判明して、
「えええええ!なんで!?」
とか言っちゃう。
でもまあトリップしてきた夢を読み漁ってるような人間なので、同類だとすぐにわかって妹のいるところへ走り出す。
ガラッ!と開いた襖の先には半兵衛風美少女。
「アンタね!?」
「…えぇと? 何がでしょうか」
「官兵衛の嫁ってのは!」
「そうです。あなたさまは…殿の浮気相手か何かでしょうか?」
知らない人なので猫被り。
しかし天女様も空気が読めない。
「芝居なんかしないでよ!わかってるんだからねっ、アンタ21世紀から来たんでしょ!?トリップしたんでしょここに!」
あらまあ。理解する、どうやらお仲間らしい。
「なんだ、あんたもなわけね。いち!に!さん!」
「ダーッ!って何させんのよ!この猫被り!」
ってな感じで掴みかかられる。
そこに慌ててやってきた半兵衛たちに、天女様は取り押さえられる。
そりゃあどう見たって戦える最強の天女様が、弱々しい半兵衛の妹に襲いかかってるようにしか見えない。
ここで友達だから、と助けるか、引っ捕らえさせるかにルート二分。
→ルート:助ける
「兄上、こちら、悪い方ではございませぬ」
「いいや、庇う必要なんてない」
「いえ。お友達でございます」
でどうにか説き伏せて、天女様はしばらく豊臣に滞在することに。「で?あんた、トリップしたんでしょ?原作知識は?」とか腹の探り合いというか話し合ったり。
「あるっ!つーかなんでアンタが官兵衛の嫁なわけ!?あたしがなろうと思ってたのに!」
「趣味悪。ありえない」
「じゃあなんで結婚してんのよ!ちょうだいよ!」
「政略結婚以外あるわけないじゃない。恋愛結婚なんて利家とまつくらいでしょ。それからあげるのは無理だから」
「本当はあげたいけどね、あんなの」
「兄上の許可とか色々必要なの」
っていう問答をエンドレスで送り、夫婦仲が危うくなったり天女とマジ喧嘩したりシリアスったり三成がしゃしゃったりしながら結局一緒にいる話。
→ルート:助けない
助けたら最強らしい女を放置して面倒なことになりそうだし、実際助ける義理もないので助けない。引っ捕らえたので、東軍とぴりぴり。しかしながら東軍の連中も天女がまずいことをしたのはよくわかっていて手が出せない。
処刑した方がいんじゃね?でもあいつらうるせーしなあ。な西軍。でも危険因子は早めに処分したい。全面戦争もかかってこいやあ!で歴史とは全然ちがう関ヶ原勃発。官兵衛は生きて帰れるのか!?みたいな。
if▼結婚相手が○○だったら
→家康:官兵衛と同じ理由で逆らわないように。家康は主人公のことを妹のように好いていたので政略ということもありなんとなく複雑。ガチで好きだった三成は三人から除け者にされた気分になる。だけどまあ、反対する理由が一切ないので結婚。
結婚すれば兄妹愛→恋愛感情になる家康。元々仲がいいので夫婦仲にもなんの問題もない。だけども家康は豊臣を倒すと決めていたので、期が来た頃、それを打ち明ける。
「わしは、豊臣の支配を許しておけん。そのうちに豊臣とは戦となるだろう。お前は、竹中に帰ってもいい」
「何を馬鹿なことを。わたしは徳川に嫁いだのです、あなたと添い遂げると決めたのです。例え兄上たちが相手であろうと、勝ち目があるなしに関わらず、戻ることなどあり得ませぬ」
家康は悲しくも、嬉しい。
そして妹は戻ることなく豊臣戦開始。妹にとっては勝っても負けても苦しい戦い。
戦は勝利で終わる。その知らせは帰ってきた家康に告げられた。
「勝ったぞ、」
「家康。勝ったのなら、笑いなさいよ。家臣に示しがつかないじゃない」
「すまん」
「謝らなくていいの」
彼女は泣かなかったけれど。泣きそうな顔で笑っていた。
夫婦仲は安泰だし、半兵衛も妹のことは理解していたので問題なかったが、三成だけはそうはいかない。お前がいたのに何故!家康が憎いのが二十倍くらいになる。そして3へ。
→三成:実力はあるが人望がない三成と戦えないけど人望はある妹をセットにすることで、より豊臣を強化したかった半兵衛。そもそもがいじめっ子といじめられっ子の関係だったのだから、妹はわたしで大丈夫なのかこいつ?と思っていたが三成は妹が好きなので無問題!
結婚後も円満問題なしだったが、豊臣が討たれ、残党に成り下がる。帰った家では、三成を優しく迎えてくれた妹が初めて涙を見せて余計憎しみが倍増。三成ルートだと幸せ→不幸コースをまっしぐら。
→刑部:これは多分妹が好きなだけ。いっちゃいちゃしてるだけ。
→秀吉:「秀吉様、世継ぎが必要でしょう?(キラキラキラ)」多分妹が好きなだけ。一番世継ぎが必要なのは秀吉だと思うんだ、実際。それで豊臣も安泰です。