話題:ひとりごと
たまに姉貴や妹、ついでにノイズと一緒にイヤホンを半分こして音楽を聴く。
最近はクラシックギターを弾いてばかりだったから、なんとなく不思議な感覚だ。
たぶん、この感覚はすごく必要なんだと思う。
右耳は妹。左耳は俺。
聴いている曲はシャッフルなので彩り鮮やかだ。
たまに流れるハードコアテクノやメタルのような鈍い銀の彩りもあれば、ジャズのような渋い黒や青、ポップスの淡い色たちが俺と妹の感覚を刺激する。
みんなえり好みせずに音楽を聴くので、なんだかこっちも楽しい。
ふと気付けば、妹が俺の半身を枕にして眠っていた。
俺は眠れそうにないので、仕方なく枕になってやろう。
普段騒がしい妹は音楽を聴いている時だけ静かだ。
なんだか眠っている妹の間抜け面に腹が立ったので頭をぐしゃぐしゃと撫でて気晴らしをしておいた。
「むにゃむにゃ」言ってるけど気にしないのが俺スタイルだ。
このまま寄り添って眠るのはなんだか恥ずかしいので、妹を抱えて部屋に放置してきます。
なんか物足りないので頭に三つくらい氷を乗せときます。
話題:クリスマス
近所と言うほど遠くはないが、徒歩15分ほどのところにある煙草屋でキースのアロマメルティという葉巻とアルカポネという葉巻を買った時に気付いてしまった。
俺は気付いてしまったんだ。
キースの甘ったるい香りに包まれながら、俺は絶叫している。
「幸せカップルファッキンシット!!!!!!!」
そう、今日はクリスマスイブ。
世の中で一番ぶっ殺してやりたい奴らが集まる日だ。
いや、マナー守ってイチャイチャするカップルならいいんですよ。
だが人目も憚らずにイチャイチャするクソみてえなクソにはクソを投げつけてやりたい。
クソまみれだ。ブラウンクリスマス。
おっと汚い話になってしまった。これだからクリスマスイブは困る。
関係ないけどクラシックギター(名前はタチバナ)とエレキギター(名前はレッドフレーム)の練習をしながら絶叫する様を妹と姉貴に見られた。死にたい。
姉貴「なんだ!?生理か!?」
ちげぇよ。
妹「おにーちゃん自分を責めないで!」
ちげぇよ。
そんなこんなで、我が家でモテない三人組がしがないクリスマスパーティーを楽しむようです。
ついでにノイズも呼びます。
あいつもモテないので。
てか、あいつ自覚してないだけでかなりモテるからクラギで殴っておきます。
あいつにファンクラブがある時点で狂ってる。
姉貴も妹もモテるから俺だけロンリーウルフ。別に切なくない。
……別に切なくなんてないんだからねッッッ!!!!
色々あって俺がへこんでいると、妹が首筋に思い切り息を吹き掛けてくる。
妹よ、そういう意味でへこんでるわけじゃないんだ。
あと、人間は風船みたいに膨らまない。
そういえば中古で買ったギターの弦がぶっつり切れました。
6弦がぶっつりと。
仕方ねえのでアマゾンで購入。
最近とことんまでツイてないなぁ。
俺には親友がいる。
そいつは何もかもが俺とは真逆だったりする。
まず、俺が男であいつは女。
陽光が苦手な俺に対して、ひなたぼっこが大好きな親友。
春が大好きな親友。冬が大好きな俺。
ここまで相違点を挙げてきたけれども、唯一同じところがある。
あいつはショートピースの香りが好きなのだ。
俺も個人的にショートピースの芳香と甘味が気に入っている。
まぁ他にも音楽とか読書とかの共通点は多々あるものの、なんだかショートピースの共通点は嬉しかったので書き留めてしまった。
そんな親友は妹と共に布団に包まり「みのむしごっこ」なるものを楽しんでいる。
そんな光景を眺めながらショートピースを肺まで吸い込み、深く味わいながらブラックコーヒーを飲む。
そんな深夜のワンシーン。
のほほんとした日常は崩れそうにありません。
最初に言わせてもらう。
こたつは癒しだ。
あの温もりに包まれているだけで世界観が変わると言っても過言ではない。
だが、そのこたつを占領する不届き者が二人いる。
我が家の妹と、俺の親友だ。
「ノイズさん!こたつむりー!」
「妹ちゃーん!ツインヘッドこたつむりー!」
猫のように瞳をとろけさせて間抜けなことを言う二人を尻目に、溜息を吐きながらブラックコーヒーに口を付ける。
この苦みと深みが解らないお子ちゃまがこたつむりになっている現状が許せん。
寒い体を落ち着けるために煙草に火を付ける。暖房は甘え。ファッキン。
紫煙が立ち上った時に、カッコつけて煙草とブラックコーヒーに手をだそうとした親友の姿を思い出して口端が吊り上がる。
ちなみに俺が吸っている煙草はショートピースです。
この味に慣れたら他の煙草が吸えない。
それはさておき、俺の癒し空間を占領している二人が許せぬ。
あまりにも悪戯心が沸き上がったので、ノイズと妹の頭に氷を三つ乗せてやった。
「おにーちゃん!冷たいよ!凍死しちゃう!」
「おい親友!やっていいことと悪いことがあるだろ!」
髪を濡らしながら抗議するお子ちゃま二人を見ながら、俺はまた苦笑した。
今日は二人にこたつむりを譲ろう。
俺は厚着をして、ブラックコーヒーを飲みながらショートピースを吸うことにしました。
心はあったまるけど、身体は寒いんだよな。
若干怨み節を呟きながら、俺は苦笑していた。
そんな一日です。