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本当はずっと…78

〜友美side〜


ともにとってのお正月の1番の楽しみは年賀状だった。



引っ越す前の友達から来たら
懐かしい気持ちにもなる。







そんなドキドキな気持ちの中
家族と一緒に初詣に行ってひいたおみくじは凶。







帰りの車でぶーぶー文句を言っているとままに
『まだ年賀状のお楽しみが残ってるでしょ』
って言われた。









家に着いて車を降りたともは
ポストに直行。





年賀状の束を持っていえに入る。





『とも、おせち料理食べてからにしたら?』




疑問形にしては強い言い方をするまま。





『はーい』





本当は年賀状が気になってしょうがないけど
一生懸命ままが作ってくれてるのを知ってたから
先に食べることにした。









家族でお話しながら食べてたら
楽しくて年賀状なんて忘れてた。







このまま忘れられたらよかったのにね…




















食事を終えたともは
階段を駆け上がった。



最初にまず
家族のを振り分ける。



ともの以外のを
リビングでテレビを見ていたままに渡して
また部屋に戻った。







これからやっとともの時間だ。









誰から来たかな〜
ってながめる。





携帯のせいもあって、
高校の友達は皆メールだから
懐かしい友達ばかり。








パラパラっとめくって
最後の一枚。







お世辞にも綺麗とは言えない丸文字で
ともの名前が大きく書いてある。






他はともの住所も書いてなければ
差出人の欄も真っ白。







だけどね、
すぐにわかった。






朝早くから
わざわざポストに入れに来てくれたであろう貴方を想像したら
ものすごい暖かい気持ちになった。










それから他の人からの年賀状を
じっくり見る。






関西弁懐かしいな〜







半分を過ぎたくらいかな。






たくさんのカラーに慣れたともの目に、
モノクロのシンプルという言葉がよく似合うハガキがあった。






年賀状なのに
新年らしい挨拶がなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー




ひさしぶり。
とも元気にしとったん?

ちなみに俺はめっちゃ元気やで。

いきなりで驚いてるやろけど
近いうちにもっと驚かすはずやから
楽しみにしといてな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー





表を見るまでもなかった。





あの人だ…
























急に怖くなった。




時は確かに進んでた。




















だけど全てを過去だと思える程
ともは大人じゃなかったんだ。














更新予定 その他



今日は一話更新できそうです



そして停滞期にコメントや拍手をくださった方々ありがとうございました。


優菜様
蓮華様
こじゆうlove様
あっちゃん神推し様

名無しの方々

そして拍手をおしてくださった方。


今回は一括での感謝の形となりますが
本当に励まされてます


これからもどうぞ気軽に
拍手やコメントしてください(^人^)








本当はずっと…77

〜優子side〜


今日はあっちゃん家にお邪魔する約束。



多分リクのことで何かあるんだと思う。


女の勘ってやつかな。




お昼を過ぎてからあたしがあっちゃん家に着いた時
あっちゃんはまだ寝てたみたい。




部屋着で出て来たあっちゃん。





『ごめんなさい。
今起きたんです…
着替えるんでリビングで待っててください』




『おはよ(笑)
あっちゃんが嫌じゃなければそのままでいいよ』




『えっ…まぁ…
じゃ部屋行きましょ』




あっちゃんの部屋には
この前リクが買ってたプレゼント。




当たり前だよね…





あまりに静かな空間に
ふと我に帰るとあっちゃんは
泣きそうな顔でベッドに腰掛けていた。




そっと隣に座ってあっちゃんの頭を撫でた。




『なにがあったの?
話聞くよ。
ゆっくりでいいから』




しくしく泣き始めるあっちゃん。




『あたし自分の気持ちがわからなくなりました…
リクのこと大好きなのに…』




うん、うんって相槌を打ちながら聞く。




『クリスマス、リクを喜ばせようって頑張ったんです。
凄い喜んでくれて、そんなリク見て嬉しくなって。
あたしちゃんとリクのこと好きなんだって思ったんです。
その後リクに手紙もらって…
嬉しくて嬉しくて。
涙がでるくらいでした』





泣きながらおもむろに枕の下から
出したそれを、あたしに渡した。










『なのに…
夜カイが来たんです。
家に…』





カイ君とやらからもらったプレゼントがどうとか。








正直全然耳に入らなかった。








泣きじゃくるあっちゃんの頭を撫でながら
あたしは手紙を見てた。





多分嫉妬とかじゃない。




あたしは心のどこかでリクに期待してたのかもしれない。



本当に頼ってくれてるだけだったのに。




悲しみなんていう言葉では表せないくらい
あたしの心は空っぽになった。









『あたしはどうすればいいんですか…』



そう言って涙でぐちゃぐちゃの顔をあげたあっちゃんは
あたしの顔を見て急に表情を変えた。




『ゆ…優子先輩…?』




驚いた様子のあっちゃんに
あたしは我に帰った。




『あっごめん。
なんか凄いあっちゃんに感情移入しちゃって。
それでもいいって言ってくれたリクに頼るのもいいし、
自分に正直になるのもいいと思うよ?』



ちょっと言葉が軽くなっちゃった気もする。





『正直に…
自分に正直にか…
あたしはいつまでリクに頼ってるんだろ…』




『大丈夫だよ。
リクはそれを迷惑だなんて思ってないから』




『あたしは…
もう少しだけこのままでいたい。
もう少しだけ時間が欲しい…』




『それでいいんじゃない?』




『また話聞いてもらっちゃってありがとうございます。
あたし優柔不断なのかも…』





あっちゃんが落ち着いた時
あたしの携帯が鳴り響いた。





『あっどうぞ。
出てください。
あたし飲み物持って来ます』




そう言って部屋から出ていったあっちゃん。






だけど…




出れるわけないじゃん。




着メロで誰からかかって来たかなんて
すぐにわかった。







今取り込み中だから
後で電話するね(>_<)




メールをいれて携帯を閉じた。







少し経ってから戻ってきたあっちゃんに
あたしは用事が出来たと伝えた。



また話そうね〜


なんて言ってあっちゃん家をでた。













もうすぐ今年ともサヨナラだ。





だけどあたしに…


この想いからサヨナラできる日は来るのかな…













沈み掛けた夕陽を見てたら
あたしは涙がとまらなくなった。
















本当はずっと…76

〜敦子side〜


肩を揺すられて、
手に何かが触れて、
あたしはぱっと起きた。



目をこすりながらあけると、
そこにはカイがいた。




なんで?




めっちゃビックリした。








だけどね?


1番ビックリしたのは
カイからのプレゼント。




すごく可愛いかったから。




おかしいなって。





すぐわかった。






だけどカイは嘘ついたよね。




当たり前だろ?


幼馴染だからって。




そうだよね。



あたしたちはどうせ幼馴染だもんね?












カイが帰ってからあたしは
ともに電話したの。



ただ一言『ありがとう』
って言ってみたの。






そしたらね、
『なーんだカイ言っちゃったんだ』
ってさ。






幼馴染だって。


ただの幼馴染だってわかってたよ?



でも…



そんな幼馴染っていう言葉にまで
嘘を重ねられたことがショックだった。







それで怖くなってね、
あたしは優子先輩に電話をかけた。


相談とは言わなかった。


ただ優子先輩とお喋りしたいな
って言った。




認めたくなかったから。





ううん。



優子先輩に頼った時点で
本当はもう認めちゃいたかったのかも。













怖くなったんだ。





さっき、
つい何時間か前に
あれほど手放したくないと思った幸せを
あたしは天秤にかけようとしてるの。






あたしどうしようもないよね。





それでもどうしてもあたしは今
話を聞いて欲しかったんだ…







誰でもない優子先輩に…




75

〜優子side〜


家に帰ってから
あたしはすぐにリクからもらったプレゼントを開けた。




まず袋から取り出し
一ミリも傷をつけないように
丁寧にラッピングをはずす。





リボンを外して
包みをとると、
小さなガラスのたからばこのようなものが見えた。






心のドキドキを抑えながらそっと蓋を開けた。


可愛いクリスマスカードが目に入る直前、
あたしの耳にはあの大好きなメロディーが聞こえた。



オルゴールだった。




心が暖かくなった。



少しでもあたしのこと知ってくれてるのが嬉しくなった。




それから目についたカードを取り出してみた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


メリークリスマス


貴女に幸せが訪れますように…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



















ねぇ?


幸せを願ってくれるのは嬉しい。




だけどね、
願わくば幸せにしてほしい。


貴方に…
















クリスマス。






幸せな願い事さえできないあたし。






願うことすら許されない。







どうしようもなくせつない気持ちになっていた時、
追い討ちをかけるかのように
あのこからメールが来た。













ちょうどいいんだ。



自分じゃひけないんだから…





そんな気持ちと裏腹にあたしはまた…
















携帯を開いてしまうんだ…



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