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皆さん、お久しぶりです。
私は少し顔を上げた。
一瞬、宮澤君がこっちを見た気がしたけど…
「ねぇ〜ともさぁ、今日、ハルと一緒に帰りたいな〜?」
「ね?ダメ?」
「え、あ、まぁダメな事もないけど。」
「やったぁ〜ハルと久しぶりに帰れる〜♪」
私の胸が不安に襲われる。
(河西さんと宮澤君って、仲良いんだ。)
(久しぶりにってことは、前も一緒に帰ったりしてたのかな?)
2人への疑問が頭の中で交差する。
「あれれ?ゆきりん嫉妬ですか?」
麻友が口をはさむ。
「い、いや、そ、そんな事ないし。」
「彼女でもないのに嫉妬する意味がないし」
平静を装ったけど、内心めっちゃ焦ってる。
「まぁさ、私が言う事じゃないかもだけど、ぼ〜っとしてると宮澤君、モテるし誰かに取られちゃうよ?」
麻友が言った。
私の気持ちに気付いていたからこそ言ってくれた言葉。
親友だからこそ言ってくれた言葉。
「ありがとうね、麻友。」
「あたし、気持ち伝えるよ。」
一週間後。
私は机に覆いかぶさるように倒れ込んでいる。
「どしたの〜?」
「いや、別に」
「どうやら恋の病は深刻なようですね。」
全てを見通したように麻友がくさいセリフを言う。
「…うん。ね。」
私は息が詰まる。
「もしかして〜、告られちゃったとか?宮澤君に。」
「え!(・・;)」
麻友に事実を言われ、自分でも顔が赤くなっていくのが分かる。
しかもキスされたなんて、絶対に言えない。
「で、好きなの?」
〈随分直球だな〉
「う、うん。」
「じゃあ、何も悩むことないじゃん。」
〈それもそうだけど…〉
「いつ告白されたの?」
「うん、一週間前。」
「そっか!」
「返事待ってるんでしょ、宮澤君。」
「うん。」
「じゃあ、ちゃんと気持ち伝えないとだよ。」
「分かってる。自分でも返事を言わなきゃいけないって、待たせてるってことぐらい分かってる、ケド、踏み出せなくて…。」
(ホント自分臆病だ…)
いつも、さっしーのことをチキンだヘタレだ言ってるけど自分の方がよっぽどチキンでヘタレだ。
[さっしー:由紀や麻友と同じクラスの仲の良い友達。]
「よっ!優、おっは〜」
親友の大島君に明るい挨拶をして宮澤君が入って来る。
私の周りの席の大島君や女の子達と楽しくお喋りをし始めた宮澤君。
お互いの気持ち
〜陽菜Side〜
あっちゃん達との話も済んで優ちゃんは陽菜の方に歩いてきた。
「おはよう、陽菜。」
「優ちゃんおはよ。」
そう言って席に着く優ちゃん。
「…」
何故か二人の間に気まずい空気。
陽菜・優子『あっ、あの』
「ん?何?」
「い、いや優ちゃんから」
「いやいや陽菜から」
「いいって、陽菜は別に」
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〜優子side〜
私達はお互い譲り合って、結局気まずい空気のまま授業が始まった。
実際授業なんか耳に入るわけもなく前を向いている陽菜を見る。
スッと通った鼻筋、透き通るような白い肌、長い髪、触れたらまるで溶けてしまいそうだ。
そんな陽菜を作るもの全てが私には新鮮で、可憐(かれん)で、もっともっと知りたくなる、いつも陽菜は私を変な気持ちにさせる。
〈いけないことだって分かっていても…。〉
「ん?」
私がずっと見てしまったから陽菜が私に気付いた。
「ううん、なんでも」
「んー?」
不思議そうに首を傾(かし)げて私を見つめてくる、そんな陽菜の仕草に私はまたドキッとしてしまう。
〈いけない、いけない〉
珍しく寝もしないで授業に集中している陽菜の邪魔をしてしまった。
「よしっ、私も授業に集中しなきゃ。集中集中っ。」
皆さんこんにちは♪