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とある時計の話



高校3年の最後の月。
大学進学と同時に実家を出ることが決まり、初めての都会暮らしに心が踊った。

住むアパートは親が見つけていたけれど、
もちろん新生活を輝かせるためのお金なんてものはなく、先の見えない可能性だけが自分を高揚させていた。


でも自分の中で、実家を出るということに何か区切りをつけたくて、引越しの一週間前に自転車で地元の雑貨屋に駆け込んだ。

棚、机、食器、ほんの少し個性的な品物は、誰かとの差異を求める自分にぴったりだった。
でも、やはり買い揃えるとなると、当面の生活費がなくなるため、結局眺めるだけ。

せめて何か、と思っていたら、ある時計が目に留まる。
文字盤に数字がほとんどなくて、なんとなく分がわかるくらいの、数千円の時計。
何故かとてつもなく惹かれてしまい、すぐに購入。財布は空に。


引越しが終了し、両親が帰っていった部屋の中央で、私に時間を教えてくれた。
これからは一人だということを、教えてくれている気がした。

それからというもの、
転がり込んでくるいろんな友達。バイト帰りで昼夜逆転。
毎日変わる起きなきゃいけない時間。
どんな時でも、ひっそり時間を伝えながらずっと見守ってくれた気がする。



そんなこんなで就職し、また上京。
社宅に来てからも、時計はずっと部屋の中心に。

でも、来訪者もほとんどいなくなり、
規則正しい生活の中で、あまり時計を見る時間も減っていた。



それから8年間の間に2回ほど引っ越して、
常にリビングに時計を置いていたけれど、だんだん電池の減りが早くなった。



…いや、もう時計が動かなくなっていた。


普段はなんとも思っていなかったけれど、
いつの間にか、自分を見守っている存在となっていたものが、
急に無くなることが衝撃だった。


手当たり次第探してみたけれど、
同じものはどこにも売ってなくて、
なんならメーカーと思われるところは、もう時計から撤退していて…


それ以降、時を知らせないただのインテリアとして置かれることに。
「そろそろ捨てたら?」という言葉を月1で聞くように。



ある時、自分で直せないものなのかと疑問に。

調べてみると、分解してムーブメントを取り替えるだけで直るとな。
早速寸法して購入。



今日、3年ぶりに正しく時間を刻んでくれた。



リビングの中央に復帰し、前より少し多い人数を見守ってくれている。そんな気がする。

たった数千円の時計だけど、たぶんもう、捨てることはないだろうな。


---------


ちゃんちゃん。
酔ってるとうまく書けない笑笑
というか書いてる途中に寝落ち…酔った勢いで何書いてるんだか。

時計って、捨てにくいよねー
なんか時間や思い出とかを捨ててる感じに勝手になってしまうのよ笑


でも、お気に入りの時計を自分で直せたのは、けっこう嬉しい。
多少のズレは多めにみるから、あと15年くらいは刻んでおくれ。


なんの変哲もない時計も、勝手に宝物になってる。
そういうのも、何かよいよね。
more..!

風邪



こんな悪化するのは久しぶり。

テレワークでよかった。



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