突発思い出こらむ
「私が純閲だった頃」 ※くらめ。欝気味中二の気分反映されてます。
今ではこのブログと小説を書いているサイトとツイッタと…といろいろとオンで活動していて、曲がりなりにも「管理人」という立場を演じて数年経った私ですが、そんな私にもまだうら若き頃があり その時は携帯はパケ放題ですらなく、小説を自分が書けるとはつゆとも思っておらず、趣味で人様の書いた二次創作やらを読んでいた、そんな時代がありました。
当時の私はとある三次元バンドに熱を燃やしており、そのバンド全員をHOMO化し、バンド内カプを作り上げた小説に大層ご執心で、その手の小説を扱ったサイトをとにかくクルーズしていた。
そんなとき出会った神サイトがAさん(もちろん仮名)のサイト。
Aさんは私より少しばかり年上で、穏やかな人柄(日記等から察するに)
ジャンル内でも中堅といった立場で、管理人同士の友達も多く、お互いにコメントしあい、私信を飛ばしあい、バトンを回しあう友人が私の確認できるだけでも5〜6人はいた。
とにかく「ネト充」という言葉がピッタリな方だった(そんな言葉は当時なかったけどね!)
私はロム心に彼女に憧れた。
作品が素敵で、穏やかな人柄。
皆に好かれていて……とにかく、ネットで見る彼女はいつも楽しげだった。
私は彼女の作品が好きなことがが高じて、いつの間にか彼女自身を羨ましいと思うようになっていた。
そして、できるなら 彼女の記憶の端っこに 私も入りたいな と思っていた。
ファンのひとりとしてでいいから。
そんなある日、彼女が某バンドナマモノ同人小説の新作をアップした。
その小説はバンドのボーカルで女王様気質なYさんが花魁、ベーシストのK氏がY氏の客、というパラレルシチュエーションの連作の一作目。
記憶が定かでないのでハッキリとどんな作品だったのか言えないのですが、私はとにかく感動し 携帯を前に鼻息を荒くした。
この気持ちをどうにかして彼女に伝えたい…!
そして私は決意した。
彼女に、感想を、送る。
いつも見ていたことを、大好きなあの作品のことを、新作の感想を彼女に伝えるんだ!
私は三日三晩考えて彼女に送る感想の文面を考えた。
きちんと敬語を使い、絵文字は使わない。
彼女はほんのちょっぴりの顔文字を穏やかに使う人だったので 最後の「これからも応援しています」のあとに(^-^)の顔文字だけ使った。
ちょっとシンプル気味かもしれないけど、初めての感想だし なんやかんや言って結構長文になってしまったので顔文字はあまり使わないほうが気持ちが伝わるだろう。
私は震える指でメールフォームからメールを送った。
時間は夜の八時。
このくらいがベストだとマナーサイトなるもので読んだので私は20時00分に送信した(馬鹿正直だったんです)
私はやりきった達成感と膨らむ期待で胸がいっぱいだった。
彼女はサイト内に「レスページ」なるものを作って拍手やメールフォームからのメッセージに返信をしていた。
きっと私のメッセージにも彼女は返事を書いてくれる。
私はそう思った。
しかし、私がメールを送ってから3日が経っても私のメールに彼女が返信をくれることはなかった。
彼女は相変わらず日記を書き、サイト管理人同士でどこで行われているのかはわからないがチャットを楽しんでいた。
作品は更新されてはいなかったけど、そんなに速筆な方ではなかったのでそれは多分 普通のことだ。
私は何か失礼なことをしただろうか、と悩んだ。
そして彼女がメッセージにレスしているページを隅から隅まで読んだ。
…やっと気づく。
彼女がメッセージに返事を書いている人たちは皆 日記を書いているか小説を書いているかメルマガを発行してる人だった。
彼女は非管理人の一般読者が嫌いなのか、一般読者は空気と思っているのか…その辺りは定かではないが とにかく「サイトを持っていない人間には返信する価値もない」と思っていることに私はようやく気づいた。
考えてみればおかしい。
あんな素敵な作品を書く方なのに返信ページはみんな彼女の友達、知り合いの管理人で埋まっているなんて。
私の他にも非管理人の誰かからなんらかのメッセージがあったはずだ。
それに対する返信はどこを探しても見つからないなんて、おかしい。
それから一ヶ月くらい私は彼女のサイトに行かなかった。
とにかくショックだったのだ。
彼女のサイトどころか、あんなに好きだった某バンドのナマモノサイトはどれも見る気がしなくなってしまっていた。
そんな風に一ヶ月が経った頃に私は再び、一縷の望みを託すようにレスページを開いた。
けれど、どこにも私への返信はなかった。
最新の返信は前日に拍手から送られたらしいものだった。
あんなに彼女を素敵な人だと思っていた自分が馬鹿みたいで、とにかくくやしかった。
自分のサイトを持っている管理人同士とサイトを持っていないけどサイトめぐりが好きで、ロムっている人とどうしてそんな差別をするんだろう
私はサイトを持っていないけど、彼女の作品が好きで応援しているという気持ちには管理人仲間の人と変わりないと思う。
今思えば 彼女のサイトは私なんかの感想などなくても十分盛り上がってにぎわっていたから 私なんかの感想はいらなかったんだろうけど、いらないならなんで拍手を置いているのか。メールフォームを設置しているのか。
彼女と管理人仲間さんたちはお互い本アドを知っているみたいだし、感想はいらないならそんなもの置かなくていいのに。
いや、置くなとは言わないけどせめて書いておくべきだと思う。
「サイト管理人でない方からのメッセージには返信しません」と。
…まーなにがいいたいかと言うと、私はとにかく傷ついた。
えーもう、サイト管理人なんて嫌いだぁぁぁ!と夕日に背を向け走り出したいくらいに傷ついた。
もうサイトという存在自体苦手になるくらいのトラウマを受けたのですが、まーなんで人生そうなるのかよくわかりませんが、性懲りもなく私はネットの世界に舞い戻ったわけです。
今度は管理人として。
そんな今、思うことがあります。
「サイトを持っていない、純粋な閲覧者さんを大切にしよう」
サイトをやっていると、明らかに「自分のサイトの宣伝目当ての擦り寄り」をする管理人というのが一度は現れて感想と混ぜ込んだ自サイト宣伝をかましてきます。
もちろん心の中でイラついたりしますが、でもそういうまだ青い人がいることを私は仕方ないと思う。
誰でも皆最初は初心者だし。
初心者は手っ取り早くちやほやされたいと思ってしまうもの。
感想を送ると義理でもなんでも感想返しといえばいいんでしょうか?
感想を書き返してくれるものですから、宣伝混じりの感想を投下したくなる気持ち わからなくはない(それを自分がする、しないは別のお話ですけどね)
なにがいいたいのかと言うと、管理人同士の交流にはもちろん素敵な「お互いがお互いの書いたものが好きでコメントしあう」という理想的な関係図がある一方で、少々歪んだ…「自分のところにコメントが欲しいがゆえの感想コメント」というものも存在する。
でも、サイトを持たない純粋な閲覧者さんはそういうことはない。
お互いの書いたものにコメントしあうことはできなくて、閲覧者さん側が感想をくれる→返信というかたちでしか交流ができなくて 相手がどんな日常を送っているのかとか、どうしても不透明な部分はあるけれど、だからこそ自分の書いたものが好き、と言ってくれる相手の気持ちに他意がないことがわかる。
このお世辞あふれるネットの世界で、それはかけがえのないものだと思うのだ。
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私がまだ純閲覧者だった頃、私は「純閲覧者からの言葉なんて管理人様方から見たらクソ嬉しくもない戯言だったのだわ」と絶望した。
でも、今はそうは思わない。
純閲覧者さんからの一言こそ管理人を奮い立たせてくれる金言です。
管理人のお友達と同じくらい、もしかしたらそれ以上に、純閲覧者さんの一生懸命な感想は管理人を支えてくれます。
少なくとも、私はそう思う。
私が閲覧者だった頃。
憧れていた管理人さんに感想を送ったら私にだけ返事が返ってこない、というトラウマをうえつけられた。
でも、今はそれも今の自分を作る血肉になってくれているように思います。
人のフリ見て我がふり直せ。
心を広く持って、くだらない悪意や虚栄心を持った初心者の愚行は流すスキルを。
同時に、本当に嬉しい言葉をくれる人には感謝と愛を。
私がここ数年の管理人ライフで学んだことはこんな感じ。
100パーセント実践できているとは言えませんが、少なくともこうあれるように、という気持ちはある。
ネットの世界を冷たくするのも温かくするのも自分次第。
少なくとも、私に話しかけてくれた方に「ネットは冷たい」なんてトラウマを植えつけないようにしたいな、と思う。
まとめると、純閲さん、らぶ!ってことです笑