夜の物語


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魔王のお仕事 妖魔討伐

2018.May.3 Thu
[小説本文]

「西の地に妖魔が現れたらしい」

カレルの言葉を聞いて、彼と行動を共にしている小妖精が不安そうな表情をする。

「カレル様……!」

「心配いらない。俺が行かなくてはな」

正直にいえば、手に負える相手かどうか不安だった。
しかし、この地に生きてきた歴戦の勇士として、人々に脅威を与える者が現れたとなれば討伐に向かうのが自分の務めだ、とカレルは思っていた。

……

時を同じくして、ニクスの城。

「妖魔か……。これはいけない」

「お出になるのですか?」

「ああ。留守を頼む」

「はっ」


「風よ、我が身を運べ」

西の地はメレディアにある城から遠く離れていたが、魔術師は風の力を借りて高速で駆けた。

魔法の風に包まれて移動しながら、ニクスはひとりごちた。

「まったく……、“悪”をやるのも楽ではないよ」


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2018年5月(6)

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