夜の物語


小説ブログです。



魔王と勇士は久し振り

2018.May.7 Mon
[小説本文]

西の地に向かう道中。


「おやおや、珍しい人に会ったものだ」

「ニクス……!」

「ふふ、久し振りですね。カレル」

魔王と呼ばれるようになってからも、この人物の柔らかな口調と物腰は相変わらずだ。

久方ぶりに顔を合わせた黒衣の魔術師を眺めて、カレルはそう思った。

「お前も例の妖魔にか」

「ええ、まあ。
ですが貴方が行くなら、私が向かう必要はないかもしれませんね。
メレディアに戻ってお茶でも飲んでいようか」

「いや、待て待て!」

魔術師はやって来た方角へ今にも引き返そうとしている。

カレルは慌てた。


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2018年5月(6)

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