前回のお話
の、続きの話。
(前回までのあらすじ) 同じ農家から出荷された、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ。同じ鍋でカレーとなることを夢見ていた3つのお野菜達だったが、トラックでの運送中に急カーブにさしかかり、玉ねぎが荷台から落下の危機に。
玉ねぎを助けるため、にんじんが葉を差し出した時、再び急カーブが迫る……!お野菜達の運命や如何に。
トラック「ガタガタッ」
玉ねぎ「た、助かったぁ……」
にんじん「怪我はないか、玉ねぎ。傷が付いたら大変だぞ」
じゃがいも「にんじんさん……あんた……!!」
玉ねぎ「にんじんさん、そんな……!!」
にんじん「オレとしたことが。引き上げるのに夢中で、オレの方が落ちそうになっちまってるな。……辛うじて葉が引っかかってるが。」
じゃがいも「ま……まだ落ちてねぇ!その引っかかってる葉を、皆で引っ張れば……!!」
にんじん「よしな、じゃがいも。…オレの旬も、ここまでさ。あばよ」
葉っぱのちぎれる音「ブチッ」
じゃがいも・玉ねぎ「「に、にんじんさん!!」」
──皆に慕われていたにんじんさんの落下。
こんな急カーブの続く道で放り出されたら、比較的硬めのお野菜のにんじんさんでもただでは済まないだろう。
未だスピードを落とさないトラックの荷台から、道路上に落ちたにんじんさんの姿を探したが……見つからなかった。
俺は泣きじゃくる玉ねぎを連れてダンボール箱に戻り、他のお野菜にも事の次第を伝え、皆で悲しみを分け合った。
──そして時は流れ、予定通り、俺たちは八百屋の店先に並んだのだった。
エッタ「〜♪」
玉ねぎ「あ、じゃがいもさん……じゃがいもさんも、同じ人に買われたんですね」
じゃがいも「にんじんさんの分まで……がんばって、美味しいカレーになろうな」
玉ねぎ「。゚(゚´ω`゚)゚。」
じゃがいも「俺たちが同じ人に買ってもらえたのも、きっとにんじんさんが見えない力で導いてくれたからだろう。にんじんさんは俺たちの事、見守ってくれてるんだよ」
玉ねぎ「。゜+(。ノдヽ。)゜+。」
エッタ「ただいま〜!リタ姉、メモにあった野菜、買ってきたよ!!」
リタ「あ……にんじん、頼むの忘れちゃったわ。どうしましょう」
ピーター「やあこんにちは!トーリス君の作ってくれた『定時退車』の試運転がてら、遊びに来たよ!!」
エッタ「あ!兄さんを応援してくれてる人だ〜!こんにちは!!
……あれ?ポケットから何か落ちたよ??」
ピーター「ああ、これはね! なかなか綺麗な形してるんだけど道端なんかに落ちてたから、面白いなって思ったのと、
野生じゃこういうにんじん生えないからトラックか何かから落ちたんじゃないかと思って」
エッタ「リタ姉!兄さんを応援してくれてる人が、にんじん持ってきてくれたよ〜!!!」
じゃがいも「俺たちが揃ったって事は!」
にんじん「カレーかもな」
玉ねぎ「嬉しいよぉぉ。゚(゚´ω`゚)゚。」
にんじん「玉ねぎ、お前ほんと泣き虫だな……」
\\\\ 料理が出来上がりました ////
エッタ「リタ姉のシチューは美味しいね!!!」
「「「(シチューかぁ)」」」
**めでたしめでたし**